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令和9年5月31日までに整えるべき体制――BCP・身体的拘束・勤務間インターバル・透析対応(第5回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、令和9年5月31日までの経過措置についてお話しします。

この期限は、非常に大事です。
なぜなら、令和9年5月31日までの経過措置には、医療機関の体制整備に関わる項目が多く含まれているからです。

代表的なものとして、機能強化加算におけるBCP、入院基本料等における身体的拘束最小化、在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院のBCP、休日加算1・時間外加算1・深夜加算1に関する勤務間インターバル、人工腎臓の腎代替療法診療体制充実加算に関する災害時情報伝達訓練、内視鏡手術用支援機器加算のWeb掲載などがあります。(厚生労働省)

ここで気をつけたいのは、これらは単なる「書類作成」ではないということです。

たとえばBCPです。

BCPは、業務継続計画です。
災害や感染症、システム障害などが起きたときに、医療機関としてどの業務を優先し、どう診療を継続するのかを決めておくものです。

機能強化加算では、令和8年3月31日時点で届出を行っている医療機関について、令和9年5月31日まで業務継続計画に係る要件を満たしているものとみなされます。在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院についても、同じく令和9年5月31日までBCPの策定等に係る要件を満たしているものとされています。(厚生労働省)

つまり、令和9年5月31日までに、BCPを整えておく必要があります。

ここでよくあるのが、
「ひな形に病院名を入れて終わり」
という対応です。

これはおすすめしません。

BCPは、作っただけでは実効性がありません。
誰が指揮をとるのか。
停電時に何を優先するのか。
電子カルテが止まったらどうするのか。
在宅患者への対応をどうするのか。
職員が出勤できない場合にどうするのか。
訓練や見直しをどう行うのか。

こうしたことを、実際の医療機関の運用に合わせて整理する必要があります。

次に、身体的拘束最小化です。

令和8年3月31日時点で入院基本料または特定入院料の届出を行っている病棟・病室については、令和9年5月31日まで、身体的拘束最小化の体制に係る一部基準を満たしているものとみなされます。(厚生労働省)

ここも、指針を作るだけでは不十分です。

実際に身体的拘束を最小化するための考え方が、看護部、医師、リハ、薬剤、事務、家族説明の場面で共有されているか。
カンファレンスや記録の仕組みがあるか。
実績をどう確認するか。

ここまで考える必要があります。

さらに、休日加算1、時間外加算1、深夜加算1については、令和9年5月31日まで、夜勤時間帯に緊急呼出し当番を行った者について、翌日を休日としていること、または勤務間インターバルを満たしているものとみなす経過措置があります。(厚生労働省)

これは医事課ではなく、総務・人事・労務管理のテーマです。

当直、オンコール、緊急呼出し、翌日の勤務扱い。
こうした運用を、現場の実態と制度要件の両方から確認する必要があります。

透析医療についても注意が必要です。
人工腎臓の腎代替療法診療体制充実加算では、令和9年5月31日まで、災害時の情報伝達訓練に年1回以上参加していることの基準に該当するものとみなす経過措置があります。(厚生労働省)

透析は、災害時の継続性が非常に重要です。
訓練参加、連絡体制、患者情報、他施設との連携、停電・断水時の対応など、日頃から準備しておく必要があります。

令和9年5月31日までの経過措置は、期限が少し先に見えるかもしれません。
でも、体制整備には時間がかかります。

規程を作る。
会議で承認する。
職員に周知する。
研修を行う。
訓練する。
記録を残す。
見直す。

ここまでやって、ようやく「体制が整った」と言えます。

ですから、5月31日期限のものは、令和9年春に始めるのではなく、令和8年中に着手してください。

経過措置の期限は、書類の締切ではありません。
院内体制を整えるための最終期限です。

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