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経過措置管理表をつくろう――期限・担当・届出・実績を院内で共有する実務対応(第6回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

最終回は、経過措置をどう管理するか、実務的なお話をします。

ここまで、令和8年9月30日、12月31日、令和9年3月31日、令和9年5月31日という主な期限ごとに、確認すべきポイントを見てきました。

今回の改定で大事なのは、経過措置の項目が多いだけではありません。
項目ごとに、関係部署も、必要な対応も、期限後に求められる状態も違うという点です。

厚生労働省の経過措置資料では、経過措置が項目ごとに整理されていますが、同資料では、今後変更の可能性があり、最新の告示・通知・施設基準届出チェックリストを参照するよう示されています。また、令和8年6月1日から算定を行うための届出については、令和8年5月7日から6月1日までに管轄の地方厚生局都道府県事務所へ届出が必要とされ、締切直前の集中を避けるため早期提出も呼びかけられていました。(厚生労働省)

このことからも分かるように、診療報酬改定対応は「情報を読んだ人」だけで抱えてはいけません。

院内で共有し、期限を管理し、行動に落とし込む必要があります。

そこでおすすめしたいのが、経過措置管理表です。

管理表には、次の項目を入れてください。

まず、対象となる点数・施設基準です。
たとえば、機能強化加算、入院基本料、療養病棟入院基本料、回復期リハビリテーション病棟入院料、在宅療養支援診療所・病院、人工腎臓、訪問看護管理療養費などです。

次に、経過措置の期限です。
令和8年9月30日なのか、12月31日なのか、令和9年3月31日なのか、5月31日なのかを明確にします。

そして、対象判定日です。
今回の経過措置では、令和8年3月31日時点で届出をしていたかどうかが、対象判定のポイントになるものが多くあります。

さらに、みなし内容も重要です。
何の要件を、いつまで、満たしているものとみなされているのか。
ここを曖昧にすると、対応の優先順位を間違えます。

そして、期限後に必要な状態を書きます。

BCPを策定していること。
身体的拘束最小化の体制を整えていること。
新しい重症度、医療・看護必要度の基準を満たしていること。
Webサイト掲載を完了していること。
実績要件を満たしていること。
訓練や研修を実施していること。

このように、「期限後にどうなっていなければならないか」を書くことで、具体的な行動が見えてきます。

担当部署も必ず入れてください。

医事課。
看護部。
リハビリテーション部門。
薬剤部。
透析部門。
在宅部門。
訪問看護ステーション。
総務。
人事。
経営企画。
地域連携室。

「誰かがやるだろう」は、経過措置管理では一番危険です。

院内確認期限も、国の期限より前に設定しましょう。

9月30日期限なら、院内確認は8月末。
12月31日期限なら、院内確認は11月末。
3月31日期限なら、院内確認は2月末。
5月31日期限なら、院内確認は4月末。

このくらい前倒しで管理することをおすすめします。

また、届出の要否、辞退届の要否も確認してください。

経過措置期間が終わった後、算定を継続するのか。
区分を変更するのか。
届出を出し直すのか。
辞退届が必要なのか。

この判断を期限直前に行うと、かなり慌ただしくなります。

最後に、経過措置管理表は、作って終わりにしないでください。

毎月1回、会議で確認してください。
対象項目ごとに、進捗を「未着手」「対応中」「完了」「要判断」に分けるだけでも十分です。

大切なのは、院内で同じ表を見ながら、同じ認識を持つことです。

令和8年度改定は、施設基準の届出だけで終わりません。
むしろ、届出後に「体制を整える」「実績を積む」「記録を残す」「期限を管理する」ことが重要になります。

経過措置は、医療機関にとって負担でもあります。
でも、見方を変えれば、院内の体制を見直すチャンスでもあります。

事務長、医事課、看護部、リハ、在宅、総務、人事、経営層。
それぞれが自分ごととして関わることで、経過措置対応は単なる制度対応ではなく、病院運営の改善につながります。

今回の連載のまとめとして、最後にこれだけ覚えておいてください。

経過措置は、期限表ではなく、行動計画にする。

これが、令和8年度診療報酬改定後の医療機関に求められる実務対応です。

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