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「静脈麻酔」が変わった?産科がまず押さえたい令和8年度改定の全体像(第1回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、令和8年度診療報酬改定の中から、産科医療機関に関係する「麻酔」の見直しについてお話しします。

産科の先生方や医事課の皆さまからすると、「麻酔が変わった」と聞くと、まず無痛分娩のことを思い浮かべるかもしれません。ただ、今回の診療報酬改定で見直された中心は、正常分娩に対する無痛分娩そのものではありません。

ポイントは、保険診療で行う手術や処置に対して使用する麻酔について、これまで「静脈麻酔」と大きく捉えていたものが、より細かく整理されたという点です。

たとえば、産科では、流産手術、子宮内容除去術、胞状奇胎除去術、頸管縫縮術、帝王切開術など、保険診療として手術・処置を行う場面があります。その際に、短時間の鎮静を行うのか、20分以上の深い鎮静を行うのか、あるいは気管挿管や声門上器具を使って全身麻酔を行うのかによって、算定の考え方が変わってきます。

今回の改定では、短時間のものはL001「吸入麻酔又は静脈麻酔による鎮静」として、10分未満、10分以上20分未満に整理されました。一方で、20分以上で、意識消失を伴い、気道確保について適切な管理を要するものは、L007「吸入麻酔又は静脈麻酔による深鎮静」として評価されます。

さらに、L008については、名称上も「声門上器具又は気管挿管による気道確保を伴う閉鎖循環式全身麻酔」とされ、全身麻酔の中でも、気道確保デバイスを用いる麻酔であることが明確になりました。

ここで大切なのは、「うちは今まで静脈麻酔で算定していたから、これからも同じでよい」とは考えないことです。

令和8年度改定後は、少なくとも次の4つを確認する必要があります。

1つ目は、麻酔時間です。10分未満なのか、10分以上20分未満なのか、20分以上なのか。

2つ目は、麻酔の深さです。単なる鎮静なのか、意識消失を伴う深鎮静なのか。

3つ目は、気道確保の方法です。声門上器具や気管挿管を行っているのか、行っていないのか。

4つ目は、麻酔管理体制です。麻酔科標榜医が関与しているのか、麻酔に専従する医師がいるのか、術者が兼ねているのか。

産科医療機関では、医師、助産師、看護師、医事課がそれぞれ別々の感覚で「麻酔」と言っていることがあります。医師は臨床上の麻酔方法を指し、看護師は患者管理を指し、医事課は診療報酬上の区分を指している。ここにずれがあると、算定誤りや記録不足につながります。

今回の改定は、単に点数が変わったという話ではありません。

「どの処置に、どの深さの麻酔を、どの体制で行っているか」を、院内で説明できる状態にしておくことが求められています。

まずは、産科で行っている手術・処置を一覧にしてみてください。流産手術、子宮内容除去術、帝王切開術、頸管縫縮術などについて、それぞれ通常どの麻酔を使っているのか、麻酔時間はどの程度か、誰が麻酔を担当しているのかを確認するところから始めましょう。

令和8年度改定への対応は、医事課だけではできません。産科医師、麻酔担当医、看護師、助産師、医事課が同じ表を見ながら、自院の麻酔管理を見直すことが第一歩です。

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