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退院時薬剤情報管理指導料は何が変わったのか――90点継続でも、実務上の意味は変わっています(第1回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、令和8年度診療報酬改定の中から、退院時薬剤情報管理指導料についてお話しします。

この点数、医事課や薬剤部の方にとっては、以前からなじみのある項目だと思います。
B014退院時薬剤情報管理指導料は、退院日に1回、90点を算定する項目です。

では、令和8年度改定で大きく点数が上がったのかというと、そうではありません。
本体の退院時薬剤情報管理指導料は、引き続き90点です。

ここだけを見ると、
「なんだ、変わっていないんですね」
と思われるかもしれません。

でも、実務上は少し見方を変える必要があります。

今回の改定では、従来あった退院時薬剤情報連携加算が削除されました。
これは、入院前の内服薬を変更したり中止したりした患者さんについて、その理由や退院後の状況を保険薬局に文書で情報提供した場合に評価されていた加算です。

この加算が削除されたからといって、
「薬局への情報提供はもう重視されなくなった」
ということではありません。

むしろ逆です。

令和8年度改定では、退院時の薬剤情報を、患者さん本人やご家族だけでなく、退院後に関わる医療機関、薬局、施設などへどうつなぐかが、より大事になっています。

つまり、評価のされ方が少し変わったのです。

これまでは、退院時薬剤情報管理指導料というと、
「お薬手帳に記載して、退院時に説明して、算定する」
というイメージが強かったかもしれません。

もちろん、それは今も基本です。

ただ、これからはそれに加えて、
「入院前から退院後まで、薬剤情報が切れずにつながっているか」
「病院薬剤師が退院支援にどれだけ関与しているか」
「その実績を院内で管理できているか」
という視点が重要になります。

特に注目したいのが、病棟薬剤業務実施加算との関係です。

令和8年度改定では、病棟薬剤業務実施加算1の施設基準において、退院時薬剤情報管理指導料の算定実績が関係してきます。
具体的には、直近3か月の退院患者のうち、一定割合以上についてB014を算定しているかが問われます。

これは、薬剤部だけの話ではありません。

退院予定患者を誰が把握するのか。
持参薬の確認は誰が行うのか。
お薬手帳への記載はいつ行うのか。
退院時指導の記録はどこに残すのか。
医事課は算定漏れをどう確認するのか。

これらを院内の流れとして整理しておかないと、
「実際には説明していたのに算定できていなかった」
「対象患者だったのに薬剤部に情報が届いていなかった」
「退院後の薬局に必要な情報が伝わっていなかった」
ということが起こります。

退院時薬剤情報管理指導料は、90点という点数だけを見ると、それほど大きな項目には見えないかもしれません。

しかし、令和8年度改定後は、病棟薬剤師の業務評価、ポリファーマシー対策、薬局連携、退院支援の質を示す指標として、重要性が高まっています。

ですので、今回のシリーズでは、退院時薬剤情報管理指導料を単なる算定項目としてではなく、
退院時の薬剤情報連携を院内でどう標準化するか
という視点で整理していきたいと思います。

第1回のポイントは、次の3つです。

1つ目は、本体の退院時薬剤情報管理指導料90点は継続していること。
2つ目は、退院時薬剤情報連携加算は削除されたが、薬局連携そのものが不要になったわけではないこと。
3つ目は、B014の算定実績が、病棟薬剤業務実施加算など院内体制評価にも関係してくることです。

この点数は、薬剤部だけで完結するものではありません。
医事課、病棟、退院支援部門、薬剤部が連携して、はじめて安定して算定できる点数です。

次回は、退院時薬剤情報管理指導料の基本要件を、入院時から退院時までの流れに沿って確認していきます。

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