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院長・事務長のためのチェックリスト――加算取得を病院機能の強化につなげる(第6回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

6回にわたって、令和8年度診療報酬改定における精神科急性期医師配置加算の見直しについてお話ししてきました。

最終回の今回は、院長先生、事務長さんが実際に確認すべきポイントをチェックリストとして整理します。

まず確認したいのは、自院がどの区分を目指すのかです。

精神科急性期医師配置加算1なのか。

加算3なのか。

あるいは、加算2のイに関係する可能性があるのか。

ここを曖昧にしたまま、クロザピン実績だけを見ても意味がありません。

次に、病棟構成の確認です。

精神病棟入院基本料は何対1か。

精神科急性期治療病棟入院料を算定している病棟はあるか。

精神病床数は病院全体の許可病床数のうちどの程度か。

精神病棟は何病棟あるか。

内科や外科等の標榜、24時間救急医療体制など、関連する要件はどうなっているか。

特に加算2のイを確認する場合には、単に15対1病棟があるかどうかだけではなく、医療機関全体の要件を確認する必要があります。

次に、クロザピンの新規導入実績です。

加算1を考える場合には、過去5年間で15件、または過去1年間で3件以上の導入実績があるか。

加算3を考える場合には、過去5年間で10件、または過去1年間で2件以上の導入実績があるか。

ここは、必ず患者ごとの一覧で確認してください。

年度ごとの件数だけではなく、患者ID、導入日、導入病棟、主治医、入院・外来の別を確認できる形が望ましいです。

次に、クロザピンを使用している患者数です。

加算1では、入院または外来においてクロザピンを使用する患者数が年間6人以上。

加算3では、年間4人以上。

このように、新規導入件数とは別に、使用患者数も確認が必要です。

新規導入の実績だけを見て、「要件を満たしている」と判断しないよう注意してください。

次に、院内体制です。

クロザピン候補患者を検討する場はあるか。

医師、看護師、薬剤師、検査部門、医事課が連携できているか。

導入前説明、同意、検査、投薬、外来継続までの流れが決まっているか。

副作用が疑われた場合の連絡体制は明確か。

外来での継続管理は安全に運用できているか。

ここが整っていないと、実績を伸ばすことは難しくなります。

次に、記録と証拠資料です。

施設基準では、「実績があります」と口頭で説明するだけでは不十分です。

後から確認できる資料が必要です。

クロザピン管理台帳、処方記録、検査記録、診療録、会議記録、患者説明の記録、薬剤部の管理資料、医事課の集計表。

これらを、届出や適時調査に耐えられる形で整理しておくことが重要です。

最後に、経営判断です。

今回の改定は、単なる加算取得の話ではありません。

精神科病院が、地域の中でどのような役割を担うのか。

急性期精神医療を担うのか。

身体合併症にも対応するのか。

治療抵抗性統合失調症に対する専門治療を強化するのか。

長期入院患者の治療選択肢を広げるのか。

外来継続まで含めた専門医療の拠点を目指すのか。

ここを院長先生と事務長さんが一緒に考える必要があります。

診療報酬改定は、点数表を読むだけでは不十分です。

改定の背景にある「国がどの機能を評価しようとしているのか」を読み、自院の経営方針に落とし込むことが大切です。

精神科急性期医師配置加算の見直しは、クロザピンの要件変更で終わる話ではありません。

病棟単位の発想から、病院全体の機能評価へ。

この流れを受け止めて、自院の実績管理、院内連携、専門治療体制を見直すこと。

それが、令和8年度改定後の精神科病院に求められる実務対応だと私は考えています。

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