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「クロザピン件数」をどう作るか――紹介、転棟、外来継続まで含めた運用設計(第5回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、精神科急性期医師配置加算の実績要件を見据えて、クロザピンの件数をどう作っていくかについてお話しします。

最初に確認しておきたいのは、「件数を作る」という言葉の意味です。

これは、必要のない患者さんに無理にクロザピンを導入するという意味ではありません。

そうではなく、本来クロザピン治療の対象になり得る患者さんを見逃さないこと。

導入できる体制がないために、治療機会を失っている患者さんを減らすこと。

そのうえで、病院として実績を正しく管理すること。

これが、ここでいう「件数を作る」という意味です。

治療抵抗性統合失調症の患者さんは、急性期病棟だけにいるわけではありません。

慢性期病棟に長く入院している方もいます。

入退院を繰り返している方もいます。

外来で治療を続けているものの、十分な改善が得られていない方もいます。

こうした患者さんを、病院全体でどう把握するかが出発点です。

まずおすすめしたいのは、候補患者の抽出です。

医局だけでなく、病棟看護師、外来看護師、薬剤師、精神保健福祉士、医事課がそれぞれの視点で気づきを出せる仕組みを作ります。

たとえば、長期入院患者の中で薬剤変更を繰り返している方。

複数の抗精神病薬を使用している方。

退院支援が進みにくい方。

再入院を繰り返している方。

こうした患者さんについて、定期的にカンファレンスで検討することが大切です。

次に、導入ルートを整理します。

院内の他病棟から導入するのか。

外来から導入目的で入院するのか。

地域のクリニックや他の精神科病院から紹介を受けるのか。

それぞれのルートで、必要な手順は異なります。

院内他病棟からであれば、主治医間の相談、病棟間の連携、家族説明のタイミングが重要です。

外来からであれば、導入前検査、入院調整、外来主治医との情報共有が必要です。

地域からの紹介であれば、紹介元との役割分担、退院後の逆紹介や共同管理をどうするかまで考えておく必要があります。

そして、導入後の外来継続です。

令和8年度改定では、クロザピンを新規に導入した実績だけでなく、入院または外来でクロザピンを使用している患者数も関係します。

つまり、導入して退院した後、外来で継続できる体制が非常に重要になります。

外来予約の管理、検査日の管理、服薬継続の確認、副作用時の連絡体制。

これらが整っていないと、継続患者数を安定的に管理することはできません。

医事課としては、導入件数と継続患者数を分けて管理する必要があります。

「新規導入した日」はいつか。

「現在使用している患者」は誰か。

入院か外来か。

年間の実患者数としてどのように集計するか。

このあたりを明確にしておかないと、届出時や確認時に説明が難しくなります。

また、薬剤部のデータだけに頼るのも危険です。

薬剤の払い出しデータ、診療録、検査記録、医事請求データを突き合わせて、整合性を確認しておくことが大切です。

私は、クロザピン治療については、少なくとも四半期に1回は実績確認を行うことをおすすめします。

新規導入件数、継続患者数、候補患者数、中止患者数、外来移行患者数を一覧にする。

そして、経営会議や医療安全、薬事、病棟運営の会議とも必要に応じて連動させる。

ここまでできると、単なる加算管理ではなく、病院の専門治療機能の管理になります。

クロザピン件数は、医事課が最後に数えるものではありません。

病院全体で、患者さんを見つけ、導入し、支え、継続する仕組みの結果として出てくるものです。

次回は最終回として、院長先生と事務長さんが確認すべきチェックリストを整理します。

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