新年度が始まって2か月。業務にも少しずつ慣れてくる一方で、疲れや余裕のなさが、表情や言動に現れやすくなる時期でもあります。
5月は「見えない疲れ」に目を向けましたが、6月はそれが言葉や態度として表に出てくる段階ともいえます。
- ちょっとした行き違い
- 説明の不足
- 忙しさによる対応のばらつき
こうしたことがきっかけとなり、患者さんの不満や不安が「クレーム」という形で表れることも少なくありません。今回は、クレーム対応力について考えていきましょう。
クレームという言葉には、どこか身構えてしまう印象があります。しかし実際には、その多くが「不安」や「期待とのズレ」から生じています。
- 思ったより待ち時間が長い
- 説明が十分に伝わっていない
- 職員の表情が気になった
ほんの小さな違和感が積み重なった結果として、言葉に出てくるのです。
対応の基本は、まず「相手の感情を受け止め」、「最後まで話を聴くこと」です。
クレーム対応というと、正しい説明をすること・誤りを訂正することに意識が向きがちです。もちろんそれも重要ですが、実際の現場では、かえって感情を強めてしまうことがあります。
正しいことを「どう伝えるか」より、まず困っていることや感情を「どう受け止めるか」が、その後の関係性を大きく左右します。
ご不安なお気持ちになりますよね
お待たせして申し訳ありません
こうした一言が入るだけで、相手の表情が和らぐことも少なくありません。
現場が忙しいときほど、スタッフの表情は硬くなり、早口になりがちです。しかしその変化は、患者さんにとっては「冷たい対応」「急かされている」といった印象に変わってしまいます。
その結果、患者さんにとって居づらい空気を生んでしまうことも。
そうすると、「まだかしら」「忘れているんじゃないの?」「いったいどうなっているの?」と、負のスパイラルに陥ってしまいます。

長 幸美(ちょう ゆきみ)
(株)M&Cパートナーコンサルティング パートナー
(株)佐々木総研 医業経営コンサルティング部 シニアコンサルタント
20数年の医療機関勤務の経験を活かし、「経営のよろず相談屋」として、医療・介護の専門職として、内部分析・コンサルティングに従事。
