こんにちは。
M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
前回は、令和8年度診療報酬改定で整理された、看護師同席のオンライン診療、いわゆるD to P with Nの全体像をお話ししました。
今回は、現場で一番起こりやすいケースです。
それは、
訪問看護の定期訪問中に、医師がオンライン診療を行った場合
です。
たとえば、訪問看護ステーションの看護師さんが、いつもの訪問看護として患者さんのご自宅に行っている。
そのときに、患者さんの状態が少し気になる。
発熱がある。
血圧が不安定。
皮膚の状態が悪化している。
呼吸状態がいつもと違う。
そこで、主治医に連絡し、医師がオンラインで患者さんを診る。
この場合、質問として多いのは、
「訪問看護の費用は算定できますか」
「訪問看護遠隔診療補助料を取るのですか」
「オンライン診療と訪問看護は併算定できますか」
というものです。
ここでの整理は、比較的シンプルです。
予定された訪問看護の中で行っているのであれば、基本は訪問看護として見る
ということです。
厚労省資料では、訪問看護指示書および訪問看護計画に基づく定期的な訪問の場合、医療機関では情報通信機器を用いた診療を算定し、訪問看護の費用については在宅患者訪問看護・指導料等、または訪問看護療養費として整理されています。
つまり、定期訪問中にオンライン診療を補助したからといって、すぐに「訪問看護遠隔診療補助料」に行くわけではありません。
この点が非常に大事です。
訪問看護遠隔診療補助料は、
予定された訪問看護がない場合
を中心に考える点数です。
定期訪問の中で、患者さんの状態を確認し、必要に応じて医師に報告し、オンライン診療につないだ。
この場合は、あくまで訪問看護の流れの中で行っているわけです。
ですから、事務長さんとしては、まずレセプトを見る前に、現場に確認してほしいことがあります。
その訪問は、もともと訪問看護計画に入っていた訪問なのか。
それとも、医師のオンライン診療を補助するために、別に訪問したのか。
ここです。
この確認をしないまま、点数名だけで判断すると、間違いやすくなります。
たとえば、同じように「看護師が患者さんの家にいた」「医師がオンラインで診た」という場面でも、
定期訪問中なのか、予定外の診療補助なのかで、算定の考え方が違います。
そして、もう1つ大切なことがあります。
定期訪問中にオンライン診療を行った場合でも、訪問看護・指導の実施時間は十分に確保する必要があります。厚労省資料でも、在宅患者訪問看護・指導料や同一建物居住者訪問看護・指導料について、訪問看護・指導の実施時に保険医が情報通信機器を用いた診療を実施した場合に算定できる一方で、訪問看護・指導の実施時間は十分に確保することが示されています。
つまり、オンライン診療を補助したから、訪問看護の中身が薄くてもよい、ということではありません。
訪問看護として必要な観察、ケア、指導を行っている。
そのうえで、必要に応じて医師のオンライン診療を補助した。
この流れで考える必要があります。
私は、今回の改定を見ていて、現場では記録の重要性が増すと思っています。
訪問看護記録には、
いつ訪問したのか。
もともとの訪問目的は何だったのか。
どのような状態変化があったのか。
なぜ医師のオンライン診療につないだのか。
医師からどのような指示があったのか。
その後、看護師が何を実施したのか。
ここを残しておくことが大切です。
単に、
「オンライン診療補助」
とだけ書いてあると、後で見たときに、それが定期訪問の中の対応なのか、別訪問なのかが分かりません。
事務長さんには、ぜひ現場と一緒に、記録の書き方を見直していただきたいです。
今日のポイントは、
定期訪問中にオンライン診療を補助した場合は、まず訪問看護として整理する
ということです。
そして、訪問看護遠隔診療補助料を考えるのは、
予定された訪問看護ではない場面なのか
を確認してからです。
この順番を間違えないようにしましょう。

