こんにちは。
M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
今回は、令和8年度診療報酬改定で質問が増えている、看護師さんが患者さんのそばにいて、医師がオンラインで診療する場合の算定についてお話しします。
いわゆる、D to P with Nです。
DはDoctor、PはPatient、NはNurseです。
つまり、医師はオンラインで診療し、患者さんのいる場所には看護師等がいる。
この形です。
今回の改定では、このD to P with Nについて、評価がかなり整理されました。
新しく出てきた主な項目は、次のようなものです。
訪問看護遠隔診療補助料。
医療機関側で算定する265点のものと、訪問看護ステーション側で算定する2,650円のものがあります。
それから、看護師等遠隔診療検査実施料、看護師等遠隔診療注射実施料、看護師等遠隔診療処置実施料です。
検査と処置は1種類100点、2種類以上150点。注射は100点です。厚労省資料でも、D to P with Nによるオンライン診療の評価として、これらの項目が整理されています。
ここで大事なのは、
「オンライン診療をしたから、何か新しい点数が取れる」
という単純な話ではない、ということです。
見なければいけないポイントは、3つあります。
1つ目は、患者さんのそばにいる看護師等が誰なのかです。
医療機関の看護師さんなのか。
訪問看護ステーションの看護師さんなのか。
ここで請求の考え方が変わります。
2つ目は、その訪問が、予定されていた訪問看護なのかどうかです。
訪問看護指示書と訪問看護計画に基づく定期訪問の中でオンライン診療を補助したのか。
それとも、もともと予定されていた訪問看護ではなく、医師のオンライン診療を補助するために訪問したのか。
ここが非常に大事です。厚労省の全体像資料でも、定期的な訪問看護の場合と、予定された訪問看護がない場合を分けて整理しています。
3つ目は、検査・注射・処置をしたのかどうかです。
看護師さんが患者さんのところで、医師のオンライン指示を受けて検査をした、注射をした、処置をした。
この場合、通常の検査料、注射料、処置料をそのまま算定するのではなく、看護師等遠隔診療検査実施料などに置き換えて考える場面があります。
ですので、事務長さんにまず押さえていただきたいのは、
「オンライン診療の点数」だけを見ない
ということです。
判断の順番はこうです。
まず、医師はオンラインで診療しているのか。
次に、患者さんのそばに看護師等がいるのか。
その看護師等は、医療機関所属なのか、訪問看護ステーション所属なのか。
その訪問は、予定された訪問看護なのか、それとも診療補助目的の訪問なのか。
最後に、検査・注射・処置を行ったのか。
この順番で見ていくと、かなり整理しやすくなります。
逆に言うと、ここを整理せずに、
「訪問看護遠隔診療補助料は取れますか」
「看護師等遠隔診療注射実施料は取れますか」
と点数名から入ると、迷子になります。
令和8年度改定では、在宅医療や訪問看護の現場で、医師が毎回現地に行くのではなく、看護師等と連携しながらオンライン診療を行う場面を評価する方向が出ています。
ただし、これは便利な点数が増えた、というだけではありません。
むしろ、
医師の診療なのか、訪問看護なのか、診療補助なのか、手技の実施なのか
を、これまで以上に分けて考える必要が出てきた、ということです。
このシリーズでは、次回以降、定期訪問中の場合、医療機関が265点を算定する場合、訪問看護ステーションが2,650円を算定する場合、検査・注射・処置の考え方、介護保険利用者の取扱いを順番に整理していきます。
まず今日のポイントは、
D to P with Nは、「オンライン診療の話」だけではなく、「看護師の訪問」と「検査・注射・処置」の整理まで含む話である
ということです。
ここを押さえるだけで、かなり見え方が変わってくると思います。

