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令和8年改定で、地域包括診療加算・地域包括診療料はどう変わるのか?(第1回/全5回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、令和8年度診療報酬改定における「地域包括診療加算・地域包括診療料の見直し」についてお話しします。

この改定、先生方の中には「地域包括診療加算の対象患者が少し広がるのかな」「認知症の加算が整理されるのかな」という程度に受け止めている方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、それも間違いではありません。ただ、今回の見直しを少し大きく捉えると、国が考える“かかりつけ医機能”の方向性が、かなりはっきり見える改定だと思います。

これまで地域包括診療加算・地域包括診療料は、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、慢性心不全、慢性腎臓病、認知症など、複数の慢性疾患を持つ患者さんを、継続的・全人的に診ていく評価として位置づけられてきました。

今回の改定では、ここに「要介護・要支援の患者さん」「認知症の診断後支援」「残薬確認や服薬管理」「他医療機関との薬剤調整」「データ提出」といった要素が、より明確に入ってきます。

つまり、単に生活習慣病を診ているだけではなく、患者さんの生活、介護、服薬、認知症支援、専門医療機関との連携まで含めて、地域の中で継続的に診る体制が求められているということです。

今回の主な見直しは、大きく7つあります。

1つ目は、評価体系の整理です。これまで別に設けられていた認知症地域包括診療加算・認知症地域包括診療料が、地域包括診療加算・地域包括診療料の中に統合されます。改定後は「認知症を有する患者等の場合」と「その他の慢性疾患等を有する患者の場合」に分けて評価されます。

2つ目は、対象患者の拡大です。従来のように6疾病のうち2疾病以上を有する患者さんだけでなく、脂質異常症、高血圧症、糖尿病、慢性心不全、慢性腎臓病のいずれかを有し、かつ介護給付または予防給付を受けている要介護・要支援の患者さんも対象に加わります。

3つ目は、連携薬局の要件の見直しです。院外処方の場合、連携薬局には24時間対応が求められていましたが、緊急時に必要となる解熱鎮痛剤等を院内処方できる体制がある医療機関では、連携薬局の24時間対応要件が一部緩和されます。

4つ目は、認知症患者さんへの診断後支援です。地域包括支援センター等と連携し、本人ミーティングやピアサポート活動など、診断後支援に関する取組を、患者さんやご家族へ必要に応じて案内することが望ましいとされました。

5つ目は、薬剤適正使用連携加算の見直しです。これまでは入院や老健入所の場面が中心でしたが、他の医療機関の外来にも継続的に通院している患者さんについて、処方内容や薬歴に基づく相談・提案を行い、薬剤数が減少した場合にも評価されるようになります。

6つ目は、医療資源の少ない地域における医師配置要件の緩和です。該当地域では、常勤換算2名以上という医師配置要件が、1.4名以上に緩和される場合があります。

7つ目は、外来データ提出加算の新設です。診療報酬の請求状況や治療管理の状況など、診療内容に関するデータを継続して厚生労働省に提出している医療機関を評価する仕組みです。

このように見ていくと、今回の改定は「点数を取るか取らないか」だけの話ではありません。

むしろ、自院が地域の中でどのような患者さんを継続的に診ていくのか。介護・認知症・服薬管理まで含めて、どこまで体制を整えるのか。その問いかけだと考えた方がよいと思います。

クリニックの先生方にとって大切なのは、まず自院の患者さんの中に対象となる方がどれくらいいるかを確認することです。

慢性疾患の病名だけでなく、介護保険の利用状況、認知症の有無、他院通院、服薬状況、残薬の状況まで見ていく必要があります。

そして、それを医師だけで抱え込むのではなく、受付、看護師、事務、場合によってはケアマネジャーや薬局とも情報共有できる形にしていくことが重要です。

今回の連載では、5回に分けて、対象患者、認知症対応、服薬管理、データ提出・院内運用まで、クリニックの実務に落とし込んでお話ししていきます。

まず押さえていただきたいのは、地域包括診療加算・地域包括診療料は、今後ますます「かかりつけ医機能の中心的な評価」として位置づけられていくということです。

算定している医療機関はもちろん、これから届出を検討する医療機関にとっても、今回の改定は、自院の慢性疾患管理のあり方を見直すよい機会になると思います。

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