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基本的な視点から、サービスごとの具体論へ――第269回の資料は何を示したのか(第1回/全12回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回から、2026年10月9日に開催された第269回介護給付費分科会の資料を読んでいきます。

前回の第268回では、2027年度介護報酬改定に向けた「基本的な視点(案)」が示されました。物価や賃金の上昇、人口減少と地域差、医療・介護の複合ニーズなどを踏まえ、改定全体をどう考えるかを整理した資料でしたね。

第269回では、その考え方を、サービスごとの報酬や運営の仕組みに結びつける論点と対応案が示されています。まずは、今回の資料の全体像を押さえましょう。

四つの資料で、地域の暮らしを支えるサービスを検討しています

今回の資料は四つです。

資料1は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護と夜間対応型訪問介護。日中と夜間の訪問や、必要なときの相談・対応を通じて、自宅での生活を支えるサービスです。

資料2は、小規模多機能型居宅介護。「通い」「訪問」「泊まり」を組み合わせ、利用者の状態や生活に合わせて支援します。本シリーズでは「小多機」と表記します。

資料3は、看護小規模多機能型居宅介護。小多機の機能に訪問看護を組み合わせ、医療ニーズのある方の地域生活も支えるサービスです。こちらは「看多機」と表記します。

資料4は、認知症対応型共同生活介護、いわゆる認知症グループホームです。共同生活の場での支援に加え、地域との関係や認知症ケアの拠点としての機能が取り上げられています。

いずれも、住み慣れた地域で暮らし続けることを支えるサービスですが、役割や報酬の仕組みは異なります。その違いを踏まえて、個別に読む必要があります。

資料に載っていることが、すべて今回の新しい提案ではありません

ここで、資料の読み方を一つ確認しておきましょう。

資料には、これまでの分科会で出された意見、関係団体の要望、利用者や事業所の調査結果、現行制度の説明、過去の改定内容などが収録されています。そのうえで、今回の論点や対応案が示されています。

例えば、参考資料に「改定後」と書かれていても、それが2021年度や2024年度の改定を説明したページである場合があります。その記述を、2027年度に新しく変わる内容として紹介してしまうと、意味が変わってしまいます。

また、関係団体が求めた内容と、事務局が今回提示した対応案も、同じではありません。誰の意見なのか、どの時点の制度なのかを確認することが大切です。

今回の対応案も、確定した算定要件や単位数を示すものではありません。「この方向で検討してはどうか」という段階として読みます。

支援の実態と、事業を続けられる条件の両方を扱っています

四つの資料を読むと、大きく二つの問いが見えてきます。

一つは、利用者の地域生活を支えるために、事業所が実際に担っている機能を、報酬でどう評価するかです。小多機の軽度者への継続的な支援や、グループホームの社会参加支援などが該当します。

もう一つは、人材や利用者の確保が難しい中でも、その支援を続けられる運営条件をどう整えるかです。新規開設時の配置や、利用者数が変化した場合の配置、夜勤体制などが取り上げられています。

私が今回の資料から読み取るのは、地域で必要な機能を明らかにしながら、その機能を維持するための仕組みも検討しようとしている、という方向です。

ただし、今回の資料だけで検討が完結するわけではありません。訪問介護、訪問看護、人口減少地域、高齢者住まい、横断的事項など、別のテーマの議論につながる項目もあります。

事業所で資料を共有するときは、「今回の対応案」と「引き続き検討される項目」を分けて整理してみてください。次回から、その中身を一つずつ見ていきます。

第1回 基本的な視点から、サービスごとの具体論へ――第269回の資料は何を示したのかの漫画

文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング

原稿作成日:2026年10月19日

本稿は第269回の公開資料に基づく解説で、議事録は反映していません。検討段階の内容を含むため、最新の公式資料・通知等はご自身でも確認してください。

出典:厚生労働省・第269回介護給付費分科会資料1〜4を基に解説を作成。