こんにちは。村上佳子です。
ここまで7回にわたって、
画像診断、注射、外傷処置、運動器リハビリ、骨粗鬆症、医学管理料
と見てきました。
最終回では、これを実際に院内でどう点検するかをお話しします。
私がおすすめするのは、いきなり全患者を調べることではありません。
まず、最近1か月分のレセプトから代表的な患者さんを選んでください。
例えば、
「再診+レントゲン」「再診+関節注射」「運動器リハ」「骨粗鬆症」「骨折・外傷」「小児運動器」
といった診療パターンごとに数例ずつ抽出します。
そして、その患者さんについて、
カルテ → 検査・処置記録 → リハ記録 → レセコン入力 → 実際のレセプト
を順番に見ていきます。
すると、漏れはだいたい4種類に分かれます。
①実施したのに請求されていない
これは純粋な入力漏れです。
②算定できる可能性があるのに、院内で誰も知らなかった
医学管理料などで起こります。
③診療はしているが、記録や運用が足りないため算定できない
エコーの所見記載やリハビリの管理などが典型です。
④人員や設備は満たせそうなのに、施設基準を届け出ていない
これも一度点検する価値があります。厚労省は令和8年度改定に対応した施設基準の届出様式・チェックリスト等を公開しています。
大事なのは、ここからです。
算定漏れを一つ見つけて、
「受付さん、次から気をつけてね」
で終わらせないでください。
それでは、また漏れます。
例えば、
「関節注射を入力すると薬剤までセットされる」
「エコーを算定する際には所見欄を確認する」
「骨折患者の処置終了時に会計へ情報が送られる」
というように、仕組みに変えてしまうことです。
私は、診療報酬の点検というのは、単なるレセプトチェックではないと思っています。
診察室から会計まで、
「医師が行った医療行為が、どのように記録され、どのように請求へ流れているのか」
という業務フローの点検なんです。
そして、このシリーズで一番お伝えしたかったのは、
増収のために診療を増やす必要はない
ということです。
必要な医療をきちんと提供する。
きちんと記録する。
診療報酬のルールを理解する。
そして正しく請求する。
常勤医師1名体制の整形外科だからこそ、院長先生の診療量をこれ以上増やす前に、まずここを整えてほしいと思います。
それだけでも、自院の収益構造が変わる可能性は十分あります。
今回の算定漏れチェック
1か月分のレセプトから代表症例を抽出し、「実施漏れではなく請求漏れ」「制度の認識漏れ」「記録・運用不足」「施設基準漏れ」の4分類で点検してください。見つかった問題は、人への注意ではなくレセコン設定や業務フローの改善につなげることがポイントです。

