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届出後に問われるのは“効果測定”――医師の事務時間と負担感をどう記録するか(第6回/全6回)

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みなさん、こんにちは。
M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

第6回、最終回は、ICT活用の効果測定と院内運用についてお話しします。

医師事務作業補助体制加算とICT活用を考えるとき、多くの医療機関は、まず届出に目が向きます。

1.2人換算になるのか。
1.3人換算になるのか。
何を導入すればよいのか。
研修は必要なのか。
利用実績はどう確認するのか。

もちろん、これらは大切です。

ただ、届出はゴールではありません。

本当に大切なのは、届出後に、医師の事務負担が減っているか、医師事務作業補助者の業務が効率化しているか、ICTが現場に定着しているかを確認し続けることです。

厚労省資料では、ICT機器等の導入前後における医師事務作業補助者の業務内容、業務量、業務時間、医師の事務作業時間、負担感等について、年1回程度、定量的または定性的な評価を実施することが示されています。さらに、その結果を衛生委員会その他これに準ずる会議体で確認し、必要に応じて適切な対策を講じることとされています。

ここは非常に重要です。

つまり、ICT活用は「入れたかどうか」ではなく、
実際に業務改善につながっているか
を見なければならないということです。

では、何を測ればよいのでしょうか。

最初から難しい指標を作る必要はありません。

まずは、次のような項目から始めるとよいと思います。

退院時要約の作成時間。
診断書の作成件数と所要時間。
紹介状の作成件数と所要時間。
医師の文書作成残業時間。
医師事務作業補助者が文書作成補助に使った時間。
音声入力の使用回数。
生成AIの使用回数。
RPAで処理した件数。
患者向け説明動画の視聴件数。
医師の負担感アンケート。
医師事務作業補助者の負担感アンケート。

これくらいで十分です。

大切なのは、導入前と導入後を比較できるようにすることです。

たとえば、生成AI導入前は退院時要約の作成に平均30分かかっていた。
導入後は、原案作成と確認を含めて平均20分になった。
医師の残業時間が少し減った。
医師事務作業補助者の確認作業は増えたが、文書の滞留は減った。

こうした変化が見えれば、院内での説明もしやすくなります。

逆に、導入したのに効果が出ていない場合もあります。

その場合は、原因を確認します。

医師が使っていないのか。
医師事務作業補助者が使い方を理解していないのか。
対象文書の選び方が悪いのか。
AIの原案の精度が低いのか。
確認ルールが複雑すぎるのか。
システム連携が悪く、かえって手間が増えているのか。

こうした点を、院内で見直していきます。

また、衛生委員会等に準ずる会議体で確認することも、単なる形式ではありません。

医師の働き方改革という観点から、医師の事務負担や残業時間をどう減らすかを、病院全体で共有する場にすることが大切です。

事務部門だけで抱え込んではいけません。

医局、看護部、医事課、診療情報管理部門、情報システム部門、医療安全、個人情報管理の担当者などが関わる必要があります。

特に生成AIを使う場合は、医療安全と情報管理の視点が欠かせません。

誤記や誤要約がないか。
患者情報の扱いは適切か。
AIが作成した文章の確認責任は明確か。
利用ログは確認できるか。
研修記録は残っているか。

こうした点を定期的に確認することで、安心して使い続けることができます。

最後に、今回の連載全体を振り返ります。

医師事務作業補助体制加算は、これから「人を置く加算」から「仕組みで支える加算」へと変わっていきます。

医師事務作業補助者に任せてよい業務を整理する。
生成AIで文書作成補助を進める。
音声入力、RPA、患者向け説明動画を組み合わせる。
研修を行う。
利用実績を確認する。
医師の事務時間や負担感を測定する。
会議体で確認し、改善する。

この一連の流れが、医師の働き方改革につながります。

ICTは、魔法の道具ではありません。

しかし、業務の棚卸し、役割分担、教育、効果測定と組み合わせれば、医師事務作業補助者の力を大きく引き出すことができます。

事務長・医事課長の皆さんには、ぜひこの改定を、単なる届出対応ではなく、医師の事務負担を本気で減らすチャンスとして捉えていただきたいと思います。

まずは、自院の医師事務作業を棚卸しするところから始めてみてください。 そこに、ICT活用の第一歩があります。

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