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L007「深鎮静」の考え方――20分以上・意識消失・気道管理がキーワード(第3回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

第3回は、今回の改定でとても重要なL007「吸入麻酔又は静脈麻酔による深鎮静」についてお話しします。

産科医療機関にとって、ここは特に注意が必要です。なぜなら、従来「長めの静脈麻酔」として感覚的に扱っていたものが、令和8年度改定後は「深鎮静」として、安全管理や体制まで含めて見られる可能性があるからです。

L007は、声門上器具や気管挿管による気道確保を伴わないものの、意識消失を伴い、気道確保について適切な管理を要するものを20分以上実施した場合に算定する区分です。

言い換えると、「挿管まではしていない。でも、患者さんは意識消失を伴う深い鎮静状態にあり、呼吸抑制などが起きた場合には気道管理が必要になり得る」という場面です。

産科で考えられるのは、流産手術、子宮内容除去術、胞状奇胎除去術、場合によっては処置が予定より長引いたケースなどです。もちろん、すべてがL007になるわけではありません。短時間で終わるものはL001の整理になりますし、気道確保デバイスを用いた閉鎖循環式全身麻酔であればL008の検討になります。

大切なのは、20分以上かどうかだけで機械的に判断しないことです。

L007では、麻酔の深さ、意識消失の有無、気道確保の必要性、麻酔を担当する者の体制が問われます。点数も、麻酔に従事する医師が専従で実施する場合、麻酔に従事する医師の指導下で実施する場合、麻酔を専従で実施する場合、それ以外の場合で分かれています。

ここで医事課が困るのは、「専従」と言えるのかどうかです。

たとえば、術者である産科医が手術もしながら麻酔も見ている場合、それは麻酔に専従しているとは言いにくいでしょう。一方で、別の医師が麻酔管理に専ら従事している場合には、体制として評価が変わる可能性があります。

したがって、L007を算定する可能性がある医療機関では、麻酔担当者の役割分担をあらかじめ明確にしておく必要があります。

もう一つ重要なのは、モニタリングです。

深鎮静は、単なる「眠らせる処置」ではありません。呼吸抑制、血圧低下、嘔吐・誤嚥、気道閉塞などのリスクがあります。そのため、酸素飽和度、呼吸状態、循環動態などを十分に監視し、急変時には速やかに全身麻酔や気道確保に移行できる準備が必要です。

産科の現場では、患者さんの年齢が比較的若く、基礎疾患が少ないことも多いため、「大丈夫だろう」と思われがちです。しかし、妊娠・産褥に関係する出血や循環変動がある場面では、麻酔リスクを軽く見てはいけません。

院内でやるべきことは、難しいことではありません。

まず、20分以上の静脈麻酔・吸入麻酔を伴う処置がどれだけあるかを確認してください。次に、その処置について、誰が麻酔を担当し、誰が患者監視を行い、急変時に誰を呼ぶのかを決めます。そして、麻酔記録に、開始時刻、終了時刻、意識状態、気道管理の状況、モニタリング内容、急変時対応の準備を残せるようにします。

L007は、点数の話であると同時に、安全管理の話です。

産科医療機関にとっては、「算定できるか」だけでなく、「その深鎮静を安全に実施していると説明できるか」が問われます。ここを院内で共有しておくことが、今回の改定対応の大きなポイントです。

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