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摂食嚥下・リハビリ職種の配置はどう変わる?――ST・PT・OTを病棟で活かす考え方(第5回/全6回)

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こんにちは。
M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、常勤要件・人員配置基準の柔軟化のうち、摂食嚥下機能回復体制加算とリハビリ専門職の業務範囲の見直しについてお話しします。

200床未満の病院では、高齢患者さんが非常に多いと思います。

肺炎で入院した患者さん。
骨折後に食事量が落ちた患者さん。
脳血管疾患の後遺症がある患者さん。
認知症があり、食事介助に時間がかかる患者さん。
療養病棟で経管栄養になっている患者さん。

こうした患者さんにとって、食べる力を守ることは、単なる栄養管理ではありません。

退院支援にも関わります。
誤嚥性肺炎の予防にも関わります。
ADLの維持にも関わります。
家族の安心にも関わります。

令和8年度改定では、質の高い摂食嚥下機能回復に係る取組を推進する観点から、摂食嚥下機能回復体制加算の施設基準における言語聴覚士の専従要件や、実績の計算方法が見直されています。

具体的には、摂食嚥下機能回復体制加算1・2の施設基準のうち、摂食嚥下チームの言語聴覚士について、専従要件が見直され、専任の従事者でもよいとされています。

これも、200床未満の病院にとっては現実的な見直しです。

言語聴覚士が複数名いる大規模病院であれば、専従配置もしやすいかもしれません。
でも、中小病院では、STが1名、または少人数というケースもあります。

嚥下評価も必要。
言語訓練も必要。
外来や回復期、地域包括ケア病棟にも関わる。
退院前カンファレンスにも出る。

そのような中で、完全な専従配置は難しい病院もあります。

今回、専任でも可能になることで、STをより現実的に摂食嚥下支援チームに位置づけやすくなります。

ただし、ここでも大切なのは、
「専任でよいなら、何となく関わればよい」
という話ではないということです。

摂食嚥下支援チームとして、どのような患者を対象にするのか。
誰がスクリーニングするのか。
嚥下評価を誰が行うのか。
医師、看護師、ST、管理栄養士、歯科、薬剤師がどう連携するのか。
食形態の変更をどう決定するのか。
退院後の食事支援にどうつなげるのか。

この流れを明確にする必要があります。

また、療養病棟における実績の考え方も重要です。

資料では、摂食嚥下機能回復体制加算の実績について、経腸栄養から経口摂取へ回復した患者も算入可能とする見直しが示されています。

これは、療養病棟を持つ病院にとっては注目すべき点です。

療養病棟では、どうしても
「経管栄養になったら、そのまま」
という流れになりがちです。

もちろん、患者さんの状態によっては経管栄養が必要な場合もあります。

ただ、嚥下機能を評価し、可能性がある患者さんには、少しでも経口摂取の可能性を検討する。
そのために、看護師、ST、管理栄養士、医師が関わる。

こうした取組が、これからますます重要になります。

もう一つ、リハビリ専門職の話です。

令和8年度改定では、疾患別リハビリテーション料や特定入院料において配置された療法士について、専門性を活かした指導等をさらに推進する見直しが行われています。

資料では、病棟内に限らず、専門性を活かした指導等を推進する観点から、疾患別リハビリテーションや病棟業務に専従する理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が従事できる業務の範囲を広げ、明確化するとされています。

これは、リハビリ職種を単に
「リハ室で20分単位のリハビリをする人」
として見るのではなく、
病棟全体の生活機能を支える専門職として活かす
という方向です。

たとえば、PTであれば、病棟での離床支援、移乗動作、転倒予防、歩行環境の確認。
OTであれば、食事動作、更衣、トイレ動作、認知機能に応じた生活動作の支援。
STであれば、嚥下、コミュニケーション、食事場面の観察。

こうした専門性は、病棟の看護業務とも密接に関わります。

200床未満の病院では、リハビリ職種と看護師がもっと近い距離で協働することが大切です。

ポイントは、
「リハビリの単位を取る」
だけでなく、
「病棟で患者さんの生活をどう良くするか」
に視点を広げることです。

事務長さんとしては、リハビリ部門の稼働率や単位数だけを見るのではなく、病棟関与の内容も確認していく必要があります。

どの病棟にどの職種が関わっているのか。
病棟カンファレンスに参加しているか。
看護師への移乗・ポジショニング指導をしているか。
摂食嚥下支援にSTが関わっているか。
退院支援カンファレンスにリハ職種が参加しているか。

こうしたことを見える化すると、リハビリ部門の価値がより伝わります。

今回の改定は、ST・PT・OTを柔軟に配置しやすくする改定です。

ただし、それは「空いた時間に何でもやる」という意味ではありません。

専門職としての役割を明確にし、患者さんの生活機能、食べる力、退院後の暮らしを支えるために活かす。

そこが大事です。

次回は、最終回として、院長先生・事務長さん向けの実務チェックリストを整理します。

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