今月は、診療情報提供料(Ⅰ)の算定について解説致します。
近年、外来医療の機能分化が進められ、クリニックや200床未満の中小病院の外来は、病気の初期治療や安定期の治療、また在宅患者の治療を主として担当し、大病院の専門医は、より重く複雑な病気の患者の専門的治療や高度医療機器を使用した診断を担当するような流れとなっていると思います。
身体的な症状がある場合は、クリニック等のかかりつけ医を受診し、クリニック等では診察・診断を行った上で、専門的な検査や治療および入院が必要な場合は、患者と相談し、適切な医療機関を紹介し、その際に紹介状として診療情報提供書を作成します。
また、令和8年診療報酬改定において、診療情報提供が2回目以降や直接手渡すなど作成した医療機関から送付されたものが明らかな場合、医師の署名または記名・押印は省略して差し支えないことが算定要件に明記されました。この内容に伴い、様式も変更されていいますので、注意されてください。
生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定されている医療機関も多いと思いますが、包括範囲外であるはずの診療情報提供料(Ⅰ)の算定が明らかに少ない医療機関もありました。生活習慣病管理料(Ⅱ)は包括という概念から診療情報提供料(Ⅰ)も算定できないと勘違いされているケースもあるかもしれません。そこで、下記に診療情報提供料(Ⅰ)の情報提供先として医療機関以外の情報提供先をまとめてみました。
| 情報提供先 | 目的 | ||
|---|---|---|---|
| 注2 |
市町村 保健所 精神保健福祉センター 指定居宅介護支援事業者 地域包括支援センター 等 |
保健福祉サービスに必要な情報を提供のため(入院患者については退院日から2週間以内に紹介(自宅に復帰する場合に限る)) | 保健福祉サービスに必要な情報とは、当該患者に係る健康教室、健康相談、機能訓練、訪問指導等の保健サービス又はホームヘルプサービス、ホームケア促進事業、ショートステイ、デイサービス、日常生活用具の給付等の介護保険の居宅サービス若しくは福祉サービスを有効かつ適切に実施するために必要な診療並びに家庭の状況に関する情報をいう |
| 注3 | 保険薬局 | 在宅の訪問薬剤管理指導に必要な診療情報を提供した場合 | |
| 注4 |
精神障害者施設 介護老人保健施設(併設除く) 障害者のグループホーム、自立訓練(生活訓練)事業所、就労移行支援事業所、就労継続支援事業所、福祉ホーム |
入所している患者の医療機関での診療に基づく情報の提供 | |
| 注5 |
介護老人保健施設(併設除く) 介護医療院 |
入所等のため | |
| 注6 |
認知症に関する専門の保険医療機関等 認知症疾患医療センター |
認知症の鑑別診断、治療方針の選定等のため | |

能見 将志(のうみ まさし)
診療情報管理士。中小規模の病院に18年間勤務(最終経歴は医事課長)。 診療報酬改定、病棟再編等を担当。診療情報管理室の立ち上げからデータ提出加算の指導まで行う。
