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オンライン診療と電子処方箋――遠隔電子処方箋活用加算10点をどう見るか(第3回/全5回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、令和8年度診療報酬改定で新設された、遠隔電子処方箋活用加算についてお話しします。

この加算は、オンライン診療を行ったときに、電子処方箋を活用して処方まで行う場合の評価です。

点数は10点です。

月1回に限り算定できます。

点数だけを見ると、正直なところ「これだけで電子処方箋を導入しよう」と判断できるほど大きな点数ではありません。

ただし、この加算は、今後の医療DXの方向性を考えるうえで、とても象徴的な改定だと思います。

なぜなら、オンライン診療と電子処方箋が、診療報酬上も明確に結びついてきたからです。

遠隔電子処方箋活用加算を算定するには、単にオンライン診療を行い、電子処方箋を発行すればよいわけではありません。

大きく三つの流れが必要です。

まず、電子処方箋システムにより薬剤情報を確認し、重複投薬等チェックを実施することです。

オンライン診療では、患者さんが目の前にいないため、お薬手帳をその場で確認することが難しい場合があります。

だからこそ、電子的に薬剤情報を確認できる仕組みを使い、重複投薬や相互作用のリスクをチェックすることが重要になります。

次に、患者さんが調剤を希望する薬局を事前に確認し、その薬局が電子処方箋に対応しているかを確認することです。

ここが、現場では意外と大事です。

医療機関側が電子処方箋を発行できても、患者さんが行きたい薬局が電子処方箋に対応していなければ、患者さんは困ってしまいます。

オンライン診療では、患者さんが近隣の薬局に行くとは限りません。

自宅近く、職場近く、家族が取りに行きやすい薬局など、さまざまなケースがあります。

そのため、診療前または診療中に、どの薬局で受け取りたいのかを確認し、その薬局が電子処方箋に対応しているかを確認するフローが必要になります。

そして三つ目が、電子処方箋を発行することです。

ここで注意したいのは、引換番号が印字された紙の処方箋を発行しただけでは、この加算の対象にはならないという点です。

あくまで、電子処方箋として発行することが求められています。

では、この加算をクリニック経営の中でどう見るべきでしょうか。

私は、短期的な点数というよりも、オンライン診療を安全に運用するための体制評価と考えた方がよいと思います。

電子処方箋を使うことで、処方情報が電子的に管理され、薬剤情報の確認や重複投薬等チェックがしやすくなります。

また、患者さんにとっても、オンライン診療後の薬の受け取りがスムーズになりやすくなります。

ただし、現場では準備が必要です。

レセコンや電子カルテが電子処方箋に対応しているか。

電子処方箋の運用開始日が決まっているか。

スタッフが発行手順を理解しているか。

患者さんに、対応薬局の確認をどのタイミングで行うか。

薬局から問い合わせがあった場合、誰が対応するか。

こうした細かい運用を決めておかなければ、せっかくの仕組みも現場で混乱してしまいます。

院長先生にまずしていただきたいのは、システム会社への確認です。

「オンライン診療時に電子処方箋を発行できるか」

「遠隔電子処方箋活用加算の算定に必要な運用に対応しているか」

「薬剤情報確認や重複投薬等チェックの画面操作はどうなるか」

このあたりを、早めに確認しておくとよいでしょう。

電子処方箋は、単なる紙の置き換えではありません。

オンライン診療における処方の安全性と、患者さんの利便性を両立させるための仕組みです。

次回は、特に注意が必要な向精神薬の処方について、オンライン診療でどこまでできるのか、どこからは対面診療が必要なのかを整理します。

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