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令和8年度改定で入院診療計画書はどう変わるのか――署名廃止は「説明不要」ではない(第1回/全6回)

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こんにちは。
M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、令和8年度診療報酬改定における「入院診療計画書」の見直しについてお話しします。

200床未満の中小病院にとって、入院診療計画書はとても身近な書類です。

入院時に作成する。
患者さんやご家族に説明する。
署名をもらう。
控えをカルテに残す。

こうした流れを、病棟看護師、医師、医事課、地域連携室がそれぞれ関わりながら運用してきた病院も多いと思います。

今回の改定でまず押さえたいのは、医師や患者さん等の署名が不要になるという点です。

これまで現場では、署名をもらうためにかなりの手間がかかっていました。

患者さんが検査に行っていて不在。
ご家族が来院していない。
説明は終わっているのに署名欄だけ空欄。
退院前になって、医事課や病棟で署名漏れに気づく。

こうしたことは、中小病院ではよく起きます。

人員に余裕がある大病院であれば、書類確認専任の担当者がいるかもしれません。
しかし、200床未満の病院では、病棟看護師や医事課がほかの業務と兼務しながら書類確認をしていることが多いです。

その意味で、署名廃止は現場の負担軽減につながる見直しです。

ただし、ここで絶対に誤解してはいけないことがあります。

署名が不要になることと、説明が不要になることは違います。

入院診療計画書は、単なる算定上の書類ではありません。
患者さんに対して、これからどのような入院診療を行うのか、どのくらいの入院期間を見込むのか、退院後にどのような治療や生活上の注意が必要になるのかを伝えるための大切なツールです。

今回の改定で変わるのは、
「署名で確認する運用」から、
「説明日と説明者を診療録で確認する運用」
への転換です。

つまり、これからは、
誰が説明したのか。
いつ説明したのか。
どの文書を用いて説明したのか。
その記録が診療録上で確認できるのか。

ここが重要になります。

200床未満の病院では、診療科ごと、病棟ごとに入院時説明のやり方が少しずつ違っていることがあります。

ある病棟では医師が説明日を書いている。
別の病棟では看護師が確認している。
医事課では、紙の入院診療計画書が戻ってくることだけを確認している。
電子カルテ上では、どこに保存されているか分かりにくい。

このような状態のまま署名欄だけをなくすと、かえって混乱します。

今回の改定は、単に「署名欄を消せば終わり」ではありません。

入院時説明の流れを見直す。
診療録への記載場所を決める。
電子保存のルールを整える。
短期入院の場合に省略できるかどうかの判断基準をつくる。

ここまで含めて考える必要があります。

特に中小病院では、急性期、地域包括ケア、回復期、療養、障害者病棟など、病棟機能が複数ある場合があります。
病棟によって患者さんの状態も、退院支援の必要性も違います。

ですから、全病棟一律に「もう署名はいりません。以上」で終わらせるのではなく、自院の入院患者さんの流れに合わせて、入院診療計画書の運用を組み直すことが大切です。

今回のポイントは、「紙の署名管理」から「説明と記録の管理」へ変わるということです。

次回は、署名欄がなくなることで、医師・看護師・医事課の役割分担がどう変わるのかを具体的に見ていきます。

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