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署名欄がなくなると現場はどう変わる?――医師・看護師・医事課の役割分担を見直す(第2回/全6回)

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こんにちは。
M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、入院診療計画書の署名欄がなくなることで、現場業務がどう変わるのかをお話しします。

令和8年度改定では、医師や患者さん等の署名は不要となり、説明日と説明者を診療録に記載する方向が示されています。

これまで中小病院の現場では、入院診療計画書の署名管理に多くの時間が使われていました。

医師が説明する。
看護師が書類を患者さんに渡す。
患者さんやご家族に署名をもらう。
医事課が署名漏れを確認する。
不備があれば病棟に差し戻す。

この流れは、一見すると当たり前のように見えます。

しかし、実際にはとても手間がかかります。

患者さんが高齢で署名しにくい。
認知症などで本人の理解が難しい。
ご家族が遠方で、すぐに来院できない。
医師は説明済みだが、書類の処理が後回しになっている。
退院精算の段階で、署名漏れが見つかる。

こうした場面では、病棟看護師や医事課が何度も確認に走ることになります。

今回、署名欄が不要になることで、この「署名を集める業務」は軽くなります。

ただし、その代わりに必要になるのが、説明日と説明者をきちんと記録する業務です。

ここで大切なのは、役割分担です。

まず、医師の役割です。

医師は、入院の目的、診療内容、検査や治療の見通し、入院期間の見込み、退院後の治療方針について説明する中心的な立場です。

特に、手術、侵襲的検査、治療方針の変更、退院後の療養方針に関わる内容は、医師が責任を持って説明する必要があります。

次に、看護師の役割です。

看護師は、入院生活上の注意点、転倒リスク、服薬、食事、排泄、退院後の生活に関する情報を補足する立場です。

200床未満の病院では、看護師が患者さんやご家族から生活背景を聞き取り、退院支援につなげることも多いと思います。

入院診療計画書の説明も、医師の説明だけで終わるのではなく、看護師の補足説明とセットで考えると、患者さんには伝わりやすくなります。

そして、医事課の役割です。

医事課は、署名漏れの回収係ではなく、これからは様式・保存・記録の確認役として重要になります。

現在の様式に署名欄が残っていないか。
説明日と説明者を記載する欄があるか。
電子カルテ上で保存場所が分かるか。
患者さんに交付した文書と、保存されている文書が同じ内容か。

こうした点を確認する役割です。

ここで避けたいのは、
「医師が書くはず」
「看護師が記録しているはず」
「医事課が確認しているはず」
という“はず”の運用です。

中小病院では、人が少ない分、あいまいな運用が残りやすいです。

ですから、最低限、次のことは院内で決めておきたいところです。

説明者は原則として誰か。
説明日はどのタイミングの日付にするか。
記録は医師記録に残すのか、看護記録に残すのか、文書内に残すのか。
医事課はどの時点で保存状況を確認するのか。

これを決めておかないと、署名欄がなくなった後に、現場がかえって迷います。

今回の改定は、病棟業務を軽くするチャンスです。

ただし、単に書類を減らすだけではなく、医師・看護師・医事課の役割を整理することが必要です。

次回は、予定入院や手術入院で特に重要になる、入院前の外来説明をどう活かすかについてお話しします。

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