こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
第3回は、長期処方とリフィル処方箋についてお話しします。
令和8年度診療報酬改定では、長期処方やリフィル処方箋への対応について、患者さんへの周知がさらに求められるようになりました。
具体的には、患者さんの状態に応じて、28日以上の長期投薬を行うこと、またはリフィル処方箋を交付することについて、対応可能であることを医療機関の見やすい場所に掲示し、患者さんから求められた場合には、患者さんの状態を踏まえて適切に対応することとされています。対象には、特定疾患療養管理料、皮膚科特定疾患指導管理料、婦人科特定疾患治療管理料、耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料、二次性骨折予防継続管理料、小児科外来診療料などが追加されています。
ここで大事なのは、「掲示したから必ず長期処方やリフィル処方箋を出さなければならない」という意味ではない、ということです。
あくまで、患者さんの状態に応じて、医師が判断するものです。
リフィル処方箋は、症状が安定している患者さんに発行し、最大3回まで反復利用できる処方箋とされています。
たとえば、高血圧や脂質異常症などで、長期間状態が安定している患者さんであれば、長期処方やリフィル処方箋の対象になり得ます。
一方で、最近薬を変更したばかりの患者さん、副作用の確認が必要な患者さん、検査値を見ながら調整が必要な患者さん、受診間隔が空くと悪化しやすい患者さんでは、慎重に判断する必要があります。
小児科や皮膚科、耳鼻科、婦人科でも同じです。
病名だけで判断するのではなく、その患者さんの状態が安定しているか、受診間隔を空けても安全か、薬局でのフォローが可能かを見て判断する必要があります。
クリニックでよく起こるのは、患者さんから受付で「リフィルにできますか」「3か月分出せますか」と聞かれるケースです。
このとき、受付スタッフが困ってしまうと、院内の流れが止まります。
ですから、院内ではあらかじめ説明の型を決めておくことをおすすめします。
たとえば、受付では次のように伝えます。
「長期処方やリフィル処方箋に対応できる場合がありますが、患者さんの病状やお薬の内容によって医師が判断します。診察時に先生へご相談ください」
この言い方であれば、患者さんの希望を否定せず、最終判断は医師が行うことも伝えられます。
医師側でも、判断基準をある程度決めておくとよいです。
血圧や検査値が安定しているか。
服薬状況に問題がないか。
残薬が多すぎないか。
副作用の確認が必要ではないか。
薬局からのフィードバックを受けられる関係があるか。
こうした点を確認して、長期処方やリフィル処方箋を使う患者さんを選んでいきます。
長期処方やリフィル処方箋は、患者さんにとって通院負担を減らすメリットがあります。
一方で、受診機会が減ることで、病状変化や服薬状況の乱れに気づきにくくなる面もあります。
だからこそ、院外処方クリニックでは、薬局との連携が大事になります。
「この患者さんはリフィルで出しています。服薬状況や副作用の訴えがあれば、早めに情報提供してください」
こうした関係があると、リフィル処方箋は単なる受診回数削減ではなく、医師と薬剤師が役割分担して患者さんを支える仕組みになります。
次回は、残薬がある患者さんへの対応についてお話しします。

