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残薬がある患者への対応が変わる――薬局での減数調剤とクリニックへの情報提供をどう受けるか(第4回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

第4回は、残薬対応についてお話しします。

クリニックの外来では、患者さんから「薬が余っています」と言われることがあります。

ただ、診察室で毎回すべての残薬を正確に確認するのは、なかなか大変です。

患者さんも、家にどれだけ薬が残っているかを正確に覚えていないことがあります。薬局で薬を受け取るときに初めて、「実は前の薬がまだ残っています」と話すこともあります。

令和8年度改定では、この残薬対応について、処方箋様式に関する見直しが行われています。

処方箋の備考欄に、保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応として、「調剤する薬剤を減量した上で保険医療機関に情報提供」という項目が設けられました。この欄にチェックがある処方箋を受け付けた薬局では、患者さんの残薬状況を確認したうえで、用法・用量は変更せずに、必要に応じて投与日数等を減らして調剤することができます。

これは、院外処方クリニックにとって実務上かなり大きな変更です。

これまでは、薬局が残薬を確認した場合、処方医へ疑義照会を行い、その結果に基づいて調剤するのが基本でした。

しかし、あらかじめ医師が処方箋上で指示していれば、薬局で一定の減数調剤ができ、その後、医療機関へ情報提供する流れが可能になります。

減数調剤を行った場合、薬局は、患者さんの残薬状況、その理由、実際に患者さんへ交付した薬剤の投与量、患者さんへの説明内容等について、原則として翌営業日までに処方箋を発行した医療機関へ情報提供することとされています。

ここで大切なのは、クリニック側がその情報提供を受ける体制を作っておくことです。

薬局からFAXや電子的な情報提供が来ても、誰も確認していない。カルテにも反映されていない。次回診察時に医師が知らない。

これでは、せっかくの情報が活かされません。

残薬は、患者さんの服薬状況を知る大事なサインです。

薬が余っているということは、単に「飲み忘れがある」というだけではありません。

症状が良くなったので自己判断で中止しているのかもしれません。

副作用が不安で飲んでいないのかもしれません。

薬の種類が多すぎて管理できていないのかもしれません。

経済的な理由で受診間隔や服薬を調整している可能性もあります。

つまり、残薬情報は、診療の質を高める情報でもあります。

クリニックでは、まず処方箋の設定を確認してください。

電子カルテやレセコンで、残薬確認時の対応欄をどのように初期設定するのか。患者さんごとに変更できるのか。医師が処方時に簡単に選択できるのか。

ここを確認しておく必要があります。

また、すべての患者さんに一律で減数調剤を認めるのか、それとも薬剤や患者さんの状態によって使い分けるのかも検討が必要です。

たとえば、慢性疾患の内服薬で、残薬調整がしやすいものは薬局での減数調剤を認める。一方で、用量調整が重要な薬や、自己判断で中断されると危険な薬については、従来どおり疑義照会を求める。

このように、院内で方針を決めておくと、薬局とのやり取りもスムーズになります。

残薬対応は、単なる薬の数合わせではありません。

患者さんが薬をきちんと使えているかを、医師と薬剤師が一緒に確認する仕組みです。

次回は、薬局からの疑義照会・処方変更照会への対応についてお話しします。

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