こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
第2回は、一般名処方加算についてお話しします。
令和8年度診療報酬改定では、処方箋料の一般名処方加算が見直されました。
一般名処方加算1は、10点から8点へ。一般名処方加算2は、8点から6点へ引き下げられています。一方で、バイオ後続品の使用促進の観点から、バイオ後続品のあるバイオ医薬品を一般名処方した場合も、評価の対象とされました。
点数だけを見ると、「下がったのか」と感じる先生も多いと思います。
ただ、院外処方のクリニックでは、一般名処方を単なる点数の話として見るのではなく、薬局で薬を確保しやすくするための処方運用として捉えることが大切です。
一般名処方とは、特定の銘柄名ではなく、有効成分の一般的名称で処方する方法です。
たとえば、銘柄名で処方すると、薬局は原則としてその銘柄を前提に調剤します。一方、一般名処方であれば、薬局は患者さんへの説明を行ったうえで、同じ成分の後発医薬品などを選択しやすくなります。
医薬品の供給不足が続いている今、これはとても大きな意味を持ちます。
クリニック側ではいつも通り処方箋を出しているつもりでも、薬局では「この銘柄が入らない」「別メーカーならある」「規格が違えば対応できる」ということが日常的に起きています。
このとき、一般名処方であれば、薬局側で対応できる余地が広がります。
逆に、銘柄名処方ばかりになっていると、薬局からの照会が増えます。診察中に電話が入り、受付スタッフが取り次ぎ、先生が判断し、薬局へ返答する。この流れが積み重なると、クリニックの業務負担はかなり大きくなります。
ですから、一般名処方加算の点数が下がったからといって、一般名処方をやめる、という考え方はおすすめしません。
むしろ、院外処方クリニックでは、一般名処方を「薬局との連携をスムーズにする仕組み」として位置づけるべきです。
ただし、患者さんへの説明は必要です。
患者さんからは、「前と薬の名前が違う」「先生が出した薬と違う薬を薬局で渡された」と言われることがあります。
このときに、受付や看護師が説明できないと、患者さんは不安になります。
院内では、次のような説明を共有しておくとよいと思います。
「お薬の成分は同じですが、薬局で在庫状況や患者さんの負担などを踏まえて、同じ成分のお薬をお渡しすることがあります」
「薬の名前や見た目が変わることがありますが、薬局で説明を受けて、分からないことがあれば遠慮なくご相談ください」
このくらいの説明でも、患者さんの不安はかなり減ります。
また、医師として銘柄を指定したい場合もあります。
たとえば、過去に特定の後発品で副作用があった場合、剤形や使用感が治療継続に影響する場合、患者さんの理解力や服薬状況を考えると変更を避けたい場合などです。
そのような場合は、漫然と銘柄名で出すのではなく、「なぜこの薬でなければならないのか」を診療録や処方上の指示に残しておくことが大切です。
一般名処方は、医師の裁量を奪うものではありません。
患者さんの状態を見たうえで、変更してよいものは一般名処方にする。変更を避けたいものは、その理由を持って銘柄指定にする。
この整理ができているクリニックは、薬局との連携もスムーズになります。
次回は、長期処方とリフィル処方箋についてお話しします。

