こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
今回は、令和8年度診療報酬改定における「医療DX関連加算の再編」についてお話しします。
まず、先生方に押さえていただきたいのは、今回の改定で、これまでの医療DX推進体制整備加算や医療情報取得加算が見直され、新たに電子的診療情報連携体制整備加算として再編される、という点です。
言葉だけ見ると少し難しいのですが、考え方はシンプルです。
これまでは、どちらかというと「オンライン資格確認を導入しているか」「マイナ保険証に対応しているか」といった、体制整備そのものが評価されてきました。
しかし、今回の改定では、そこから一歩進んで、取得した診療情報を実際の診療で活用できるか、さらに電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスなどを通じて、医療機関同士・薬局との情報連携ができるかという方向に評価軸が移っています。
つまり、医療DXは「機械を入れました」「カードリーダーを置きました」で終わる段階ではなくなってきた、ということです。
厚生労働省資料でも、医療DX関連施策の進捗を踏まえ、普及したサービスの活用を基本としつつ、さらに関連サービスを活用して質の高い医療を提供する観点から、医療情報取得加算と医療DX推進体制整備加算の評価を見直すとされています。
今回新設される電子的診療情報連携体制整備加算は、医科では初診時に加算1・2・3の区分があり、それぞれ15点、9点、4点です。再診時は月1回2点とされています。
点数だけを見ると、「それほど大きな加算ではない」と感じる先生もいらっしゃるかもしれません。
ただ、私はこの加算については、単なる収入項目としてだけ見るのではなく、今後のクリニック運営の方向性を示すものとして見た方がよいと思っています。
これからは、受付、診察室、レセコン、電子カルテ、処方、薬局連携、患者さんへの説明が、バラバラではなく、つながっていることが求められます。
たとえば、受付でマイナ保険証を案内しても、診察室で医師が薬剤情報や特定健診情報を見られないのであれば、診療への活用とは言いにくいわけです。
逆に、患者さんが「他院でもらっている薬があります」と言ったときに、診察室で薬剤情報を確認できる。あるいは、健診結果を踏まえて生活習慣病の指導につなげられる。そうした運用ができているクリニックは、今回の改定の方向性に合っています。
ですので、先生方にはまず、今回の医療DX関連加算の再編を、こう捉えていただきたいです。
医療DXは、導入の時代から、活用の時代に入った。
これが一番大事なメッセージです。
次回は、新しい電子的診療情報連携体制整備加算の点数構造について、初診15点・9点・4点、再診2点という数字をどう見ればよいのか、クリニック経営の視点から整理していきます。

