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認知症地域包括診療加算はどう整理されたのか――診断後支援まで求められる時代へ(第3回/全5回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、令和8年度診療報酬改定における地域包括診療加算・地域包括診療料の見直しのうち、「認知症」への対応についてお話しします。

今回の改定では、認知症地域包括診療加算・認知症地域包括診療料が、地域包括診療加算・地域包括診療料の中に統合されます。

これまで、認知症地域包括診療加算と地域包括診療加算は別の評価として整理されていました。改定後は、地域包括診療加算・地域包括診療料の中で、「認知症を有する患者等の場合」と「その他の慢性疾患等を有する患者の場合」に分けて評価される形になります。

つまり、認知症に関する評価がなくなるのではありません。

むしろ、地域包括診療という大きな枠組みの中に、認知症の患者さんをしっかり位置づける形に整理された、と考えた方がよいと思います。

ここで先生方に押さえていただきたいのは、認知症の評価が「診断して終わり」ではなくなってきているという点です。

改定後の資料では、診療を担当する医師は、地域包括支援センター、認知症地域支援推進員、若年性認知症支援コーディネーター等と連携し、認知症患者さんの診断後支援に係る取組について、必要に応じて患者さんやご家族に案内を行うことが望ましいとされています。

ここでいう診断後支援には、ピアサポート活動、本人ミーティング、一体的支援事業などが含まれます。

聞き慣れない言葉もあるかもしれませんが、要するに、認知症と診断された患者さんやご家族が、地域の中で孤立しないように、医療機関から地域の支援につないでいくことが求められているということです。

クリニックの外来では、認知症が疑われる患者さんについて、専門医療機関へ紹介したり、画像検査や専門的評価につないだりする場面があります。

一方で、診断後に患者さんやご家族が何に困るかというと、実は医療そのものだけではありません。

これから生活はどうなるのか。介護サービスは使えるのか。家族はどう接すればよいのか。仕事を続けられるのか。地域に相談できる場所はあるのか。

こうした不安を抱えたまま、患者さんやご家族が帰宅されることもあります。

今回の改定は、そこに対して、かかりつけ医が地域の支援資源を案内する役割を持つことを明確にしてきた、と見ることができます。

ただし、これは先生がすべてを説明しなければならないという意味ではありません。

大切なのは、自院だけで抱え込まないことです。

たとえば、自院の地域を管轄する地域包括支援センターを確認しておく。認知症地域支援推進員がどこに配置されているかを把握しておく。若年性認知症の相談窓口を一覧にしておく。市区町村の認知症カフェや家族会、本人ミーティングの情報を院内で共有しておく。

こうした準備をしておくと、診察室で「こういう相談先がありますよ」と案内しやすくなります。

実務としては、認知症患者さん向けの地域資源リストを1枚作っておくとよいと思います。

記載する内容は、難しく考える必要はありません。

地域包括支援センターの名称と電話番号、市区町村の認知症相談窓口、認知症カフェ、家族会、若年性認知症の相談先、ケアマネジャーへの相談方法など、患者さんやご家族が次に動ける情報があれば十分です。

また、診療録には、認知症の診断や疑い、家族への説明内容、地域包括支援センター等を案内したこと、ケアマネジャーの有無、介護保険申請の状況などを残しておくと、院内の継続対応にも役立ちます。

認知症の患者さんでは、通院継続そのものが難しくなることもあります。予約管理、家族連絡、薬の飲み忘れ、独居、金銭管理、運転、介護負担など、医療だけでは解決しにくい課題も出てきます。

だからこそ、かかりつけ医が地域の支援機関とつながっていることに意味があります。

今回の見直しを機に、認知症対応を「診断名の管理」ではなく、「診断後の生活支援につなぐ入口」として見直していただきたいと思います。

先生方のクリニックが、地域包括支援センターやケアマネジャーと少しつながるだけで、患者さんやご家族の安心感は大きく変わります。

認知症診療は、専門医だけの領域ではありません。

地域のかかりつけ医として、患者さんの生活を見ながら支える。その役割が、今回の改定でよりはっきり示されたと考えています。

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