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外来医師過多区域と機能強化加算――新規開業・分院展開で気をつけたいこと(第4回/全5回)

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M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、機能強化加算の見直しの中でも、少し制度的なテーマである「外来医師過多区域」と「期限付き指定診療所」についてお話しします。

まず、現在すでに地域で診療を続けている多くのクリニックにとっては、すぐに大きな影響が出る話ではないかもしれません。ただし、新規開業、分院展開、移転、承継を考えている先生にとっては、今後とても重要な論点になります。

今回の機能強化加算の施設基準では、健康保険法第68条の2第1項の規定により、3年以内の期限が付された指定を受けた診療所以外の保険医療機関であることが示されています。

少しわかりにくい表現ですが、簡単に言うと、外来医師が多い地域などで、地域に不足する医療機能の提供に関する要請に応じない場合、保険医療機関の指定に期限が付くことがあり、そのような期限付き指定の診療所は、機能強化加算の対象から外れるという整理です。

この背景には、外来医療の機能分化があります。

地域によっては、医師数は多いけれど、夜間・休日対応、在宅医療、初期救急、学校医、産業医、予防接種、地域連携など、実際に地域が必要としている医療機能が十分とは言えない場合があります。

つまり、「医療機関の数はあるけれど、地域に必要な役割が満たされているか」という視点です。

これから開業する先生にとっては、「どこに開業するか」だけでなく、「その地域で自院がどのような役割を担うか」を考える必要があります。

たとえば、内科クリニックであれば、生活習慣病の継続管理だけでなく、在宅医療にどこまで関わるのか。発熱外来や感染症対応をどうするのか。地域の病院や専門医療機関との連携をどう作るのか。健診後フォローや保健福祉サービスとの接点をどう持つのか。

小児科であれば、かかりつけ診療、予防接種、発達相談、学校・保育所との連携なども地域機能として考えられます。

整形外科であれば、高齢者の運動器疾患、介護予防、リハビリ、地域包括ケアとの接点が重要になるかもしれません。

ここで先生方にお伝えしたいのは、機能強化加算は「届出すれば終わり」の加算ではなく、地域に対して「当院はこういう役割を担います」と示す加算になってきているということです。

新規開業や分院展開を考える場合、物件の良し悪し、競合クリニックの数、診療圏人口だけで判断するのではなく、地域医療構想や外来医療計画、医師会との関係、行政が求める医療機能も確認しておくことが大切です。

特に、今後は「外来医師過多区域だから開業できない」という単純な話ではなく、「その地域で不足している医療機能にどう応えるか」が問われる場面が増えると思います。

既存のクリニックにとっても、この話は無関係ではありません。

今後、地域での役割がより重視される中で、自院がどのような機能を担っているのかを、院内掲示やホームページ、地域連携の場で説明できるようにしておくことが重要です。機能強化加算の要件としても、地域において包括的な診療を担う医療機関であることを、見やすい場所やホームページ等に掲示する取り組みが求められています。

「うちは地域で何を担っているのか」
「患者さんに何を案内しているのか」
「専門医療機関との連携先は明確か」
「在宅、救急、予防、福祉との接点はどうか」

こうした問いを、あらためて整理してみてください。

機能強化加算の見直しは、点数表の小さな変更に見えるかもしれません。しかし、その背景には、地域に必要な外来機能をきちんと整えていこうという大きな流れがあります。

次回は、5回連載のまとめとして、機能強化加算を算定・継続するために、院長先生が何を点検すべきかをチェックリスト形式で整理します。

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