M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
今回は、機能強化加算の見直しの中で示された「外来データ提出加算」についてお話しします。
まず確認しておきたいのは、機能強化加算の要件見直しでは、外来データ提出加算または在宅データ提出加算の届出を行っていることが「望ましい」とされています。 つまり、現時点で「届出がないと機能強化加算が算定できない」と読むものではありません。
ただし、ここを軽く見ない方がよいと思います。
なぜなら、診療報酬の世界では、最初は「望ましい」とされていたものが、将来的に要件化されることがあります。特に今回の改定全体を見ると、外来医療についても、診療実績や管理状況をデータで把握し、評価に活用していく流れが強まっています。
厚労省資料では、外来データ提出加算は、診療報酬の請求状況や診療内容に関するデータを継続して厚生労働省に提出している場合に、月1回に限り10点を加算するものとして示されています。
先生方からすると、「また事務負担が増えるのか」と感じられるかもしれません。実際、その感覚は間違っていません。データ提出には、レセコンや電子カルテの対応、試行データの作成、エラーチェック、届出手続きなどが関係します。厚労省資料でも、様式の届出、試行データ作成、試行データ提出、その後の届出、算定開始という流れが示されています。
ただ、ここで大切なのは、外来データ提出加算を「事務作業」とだけ見ないことです。
これからの外来診療では、「うちはしっかり診ています」と言うだけではなく、「どのような患者さんを、どのように継続管理しているのか」をデータで示すことが求められていきます。
たとえば、生活習慣病の患者さんがどれくらいいるのか。定期的に検査が実施されているか。必要な患者さんに専門医療機関との連携が行われているか。在宅医療では、どのような患者さんをどの頻度で診ているか。
こうした実績は、院長先生の頭の中にはあるかもしれません。でも、診療報酬上の評価や、地域での役割説明という観点では、データとして見える形にしていくことが重要になります。
では、クリニックは何から準備すればよいのでしょうか。
まずは、レセコン会社、電子カルテ会社に確認してください。
「外来データ提出加算に対応していますか」
「対応予定はいつですか」
「試行データの作成はどこまで支援してもらえますか」
「エラーが出た場合、誰が修正する運用になりますか」
「追加費用は発生しますか」
このあたりを早めに確認しておくことをおすすめします。
次に、院内の担当者を決めることです。外来データ提出は、医師だけで完結するものではありません。受付、医事、看護師、システム担当、場合によっては外部ベンダーとの連携が必要になります。担当者が曖昧なままだと、届出期限が近づいたときに慌てることになります。
そして、診療録や病名、算定の整合性も見直しておきたいところです。データ提出では、日々の入力内容がそのまま外に出ていきます。病名の付け方、終了病名の整理、算定項目との整合、検査や指導の記録など、普段の医事品質が問われます。
私は、外来データ提出加算は、単に10点を取るための話ではないと思っています。むしろ、自院の診療内容を見える化し、今後の外来評価に備えるための入り口です。
機能強化加算を算定しているクリニックは、地域のかかりつけ医機能を担っている医療機関です。その機能を、感覚ではなくデータで説明できるようにしていく。ここが、令和8年度改定以降の大きな流れだと思います。
次回は、外来医師過多区域と期限付き指定診療所の話を取り上げます。少し制度的な話になりますが、新規開業や分院展開を考える先生には、ぜひ押さえていただきたいテーマです。

