今月は、「(外来・入院)栄養食事指導料」の算定について解説致します。
●栄養食事指導料とは
栄養食事指導料は、保険医療機関において厚生労働大臣が定める特別食(※)を必要とする患者に対し、医師の指示に基づき管理栄養士が患者の生活条件、嗜好を勘案した食事計画案等を必要に応じて交付し、指導を行った場合に算定できます。なお、栄養食事指導料を実施する管理栄養士は、常勤である必要は無く、要件に適合した指導が行われていれば算定ができます。さらに、当該保険医療機関以外に所属している管理栄養士が行った場合においても算定することができます。ただし、算定点数は異なりますので注意が必要です。
また、高血圧症の患者に対する減塩食及び小児食物アレルギー患者については、入院時食事療養(Ⅰ)又は入院時生活療養(Ⅰ)の特別食加算とは異なり、栄養食事指導料の対象とされていることから、指導の対象となる患者は多いと思われます。
※厚生労働大臣の定める特別食 心臓疾患及び妊娠高血圧症候群等の患者に対する減塩食、十二指腸潰瘍の患者に対する潰瘍食、侵襲の大きな消化管手術後の患者に対する潰瘍食、クローン病及び潰瘍性大腸炎等により腸管の機能が低下している患者に対する低残渣食、高度肥満症(肥満度が+40%以上又はBMIが30 以上)の患者に対する治療食並びにてんかん食 |
- 記録について
栄養食事指導料の算定にあたり、医師は熱量・熱量構成、蛋白質、脂質その他の栄養素の量、病態に応じた食事の形態等に係る情報のうち医師が必要と認めるものに関する具体的な指示が必要です。指示を受けた管理栄養士は、患者ごとに栄養指導記録を作成するとともに、指導内容の要点、指導時間(「注2」及び「注3」を除く。)及び指導した年月日(「注4」及び「注6」に限る。)の記載が必要です。
- 算定に向けた取組について
栄養食事指導料の算定に結びつかない理由として、「医師が指示を出さない」ということが多く挙げられると思います。しかしながら、医師の指示待ちではなく、算定件数を増やす取り組みとして、管理栄養士等が主体的に行動し、院内において指示出しのルールを定めることが重要です。

能見 将志(のうみ まさし)
診療情報管理士。中小規模の病院に18年間勤務(最終経歴は医事課長)。 診療報酬改定、病棟再編等を担当。診療情報管理室の立ち上げからデータ提出加算の指導まで行う。