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厚生局の指導等及び医療監視への対応策「診療録の記載として傷病名の項目についての注意点②」

 今回も診療録の記載として傷病名の項目についての注意点をお伝え致します。
 傷病名について、個別指導時において過去に指摘があった例として、下記の重複している傷病名もあったようです。

・急性気管支炎と気管支炎
・逆流性食道炎と維持療法の必要な難治性逆流性食道炎
・高コレステロール血症と脂質異常症
・高コレステロール血症と高脂血症
・膀胱炎と尿路感染症
・第3指関節痛と右第3指変形性関節症
・糖尿病と2型糖尿病
・脳血栓症と再発性脳梗塞症
・肝機能障害と慢性肝炎
・末梢神経障害と末梢性神経障害性疼痛
・変形性腰椎症と腰痛症
・頸肩背部筋肉痛と頸肩背部筋痛症
・原発性肺癌と小細胞肺癌
・両乾性角結膜炎と両ドライアイ
・高血圧症と重症高血圧症
・本態性高血圧症と高血圧症
・腎機能低下と慢性腎不全
・アフタ性口内炎と口内炎
・ビタミンC欠乏症とビタミン欠乏症
・不眠症と睡眠障害
・胃潰瘍と上部消化管出血
・左急性中耳炎、左滲出性中耳炎、両滲出性中耳炎
・結膜炎とアレルギー性結膜炎

 傷病名の記載漏れや重複は、診療報酬請求において査定や返戻の対象になります。また、医学的にはこの病名で十分と記載していた内容が、適応外の薬剤を処方していた場合は、当然査定の対象となります。

 多くの病名が連なっているレセプトを見かけることがありますが、このような医療機関は、病名整理があまりされていないように思います。レセプト点検時もチェックを行っていると思いますが、この時点での点検は、病名漏れに注目しがちになっている可能性があります。そのためにも、レセプト点検前に一度病名整理を行っておくと、不要な病名を整理でき、査定や返戻を未然に防ぐことができるでしょう。

能見 将志(のうみ まさし)

診療情報管理士。中小規模の病院に18年間勤務(最終経歴は医事課長)。 診療報酬改定、病棟再編等を担当。診療情報管理室の立ち上げからデータ提出加算の指導まで行う。