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おしゃべりは宝の山~対話の量が絆を生む

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「広報活動」と聞くと、ポスターやチラシ、SNSなどを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、医療機関における広報の本質は、「相手の求めに応じる行動」にあります。つまり、患者さんが何を求めているのかを理解し、その期待に応えることが第一歩なのです。

ところが、実際には「患者側の求めがわからない」という声もよく聞かれます。これは、情報発信の前段階である「情報収集=対話」が不足している証拠かもしれません。


■ 患者の本音は「対話の中」にある

日々の診療は多忙で、医師が直接すべての患者の声を聴くのは難しいでしょう。ですが、それを理由にして患者の気持ちを知ろうとする努力を怠っては、地域で選ばれる医療機関にはなれません。

医師での対応が難しい場合は、受付スタッフ、看護師、リハスタッフ、または信頼のあるケアマネジャーなど、多職種の力を借りることが有効です。特に、窓口職員や看護師には話しやすいと感じる患者さんも多いため、「日常の会話」を通じて得られる情報は非常に貴重です。


■ おしゃべり=貴重なマーケティング

「患者さんとのおしゃべりは、時間の無駄では?」と考える経営者もまだ少なくありません。しかし、その「おしゃべり」の中には、患者が抱える生活上の課題、健康不安、家族のこと、介護の悩みといった、重要なヒントが隠れています。

ある医療機関では、スタッフと患者との間の会話を記録する「コミュニケーションノート」を導入。
例:

  • 「〇〇さんは、最近体力の低下を気にしている」
  • 「△△さんのご家族が認知症になり、精神的に不安定」

このような記録があるだけで、次回の診察時に適切な声かけやフォローが可能になり、患者との信頼関係を一層深めることができます。


■ 対話の量が絆を生む

心理学的にも、信頼関係の構築には「対話の質」よりも「量(接触回数)」が影響することがわかっています。スタッフには、「1日1回は患者と世間話をしよう」といった小さな目標を与えるだけでも、院内の雰囲気や患者満足度が変わってきます。

事務長としては、こうした日常的な対話を支える仕組みづくりこそが「広報活動の基盤」だと認識してください。


■ まとめ:広報とは、まず聴くこと

絆の第一歩は「対話の回数」。数が信頼を生む

広報活動は、情報発信だけでなく「情報収集」から始まる

医師が難しければ、スタッフや多職種との連携で対話の機会を増やす

世間話やおしゃべりの中に、サービス改善や地域連携のヒントがある