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「NotebookLMの活用について」

Googleが提供する「NotebookLM」は、資料をベースに活用できるAIノート/リサーチアシスタントです。Googleドキュメント、PDF、ウェブURL、YouTube、音声ファイル、Slidesなどを読み込ませ、その範囲に限定して要約や比較、下書きの作成、質疑応答まで行うことができます。従来の検索型AIとは異なり、利用者自身が選んだ資料のみを根拠とする点に大きな特徴があります。
医療介護分野においては、この仕組みを応用することで業務改善につなげる可能性があります。例えば制度の改定時には、厚労省から発出される通知やQ&Aをすべて読み込ませ、自分専用の「法改定辞書」として活用することができます。疑問点が出た際には、その資料群に基づいて即座に答えを得られるため、改定対応のスピードと精度を高めることができます。
さらに、利用者の基本情報やサマリー、日々の記録を読み込ませることで、その方に関する質問に答える“個別アシスタント”としての利用も検討されています。もっとも、個人情報を含むデータを扱う場合には、セキュリティやプライバシー保護への十分な配慮が欠かせません。利便性と安全性を両立させるルールづくりが不可欠です。
このような新しいサービスは、単なる情報整理を超えて「現場専用の知識ベース」を構築する可能性を持っています。これからの経営層やリーダーには、こうしたツールをどう業務改善に取り入れるか、そして情報の安全を守りながら現場に浸透させるかという視点が求められます。

 

原田 和将

一般社団法人 アジア地域社会研究所 所属
介護現場での管理者としての経験を活かした職員研修、コーチングを中心に活動。コーチングはITベンチャーなど多岐にわたる業態で展開。国立大学での「AIを活用した介護職員の行動分析」の実験管理も行っており、様々な情報を元にした多角的な支援を行う。