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「マイナ保険証」について

 

 令和7年5月13日に、「福祉施設や在宅の要配慮者に対する資格確認書の交付等について」という資料が厚生労働省より発出されました。この資料では、令和6年12月から健康保険証の新規発行が終了し、マイナンバーカード(マイナ保険証)を基本とする制度に移行した件について、要配慮者へのフォローの方法などが記載されています。 医療・介護現場では、カードをうまく扱えない高齢者や障害のある方への配慮と支援が今まで以上に重要になります。   

 マイナ保険証を持っていない方や、持っていても利用が難しい高齢者や障害者などの要配慮者には、「資格確認書」が交付され、医療機関での受診が可能となります。この「資格確認書」の交付については申請が必要であり、施設職員やケアマネジャーに求められるのは、制度の仕組みを理解し、段階的な支援を行うことです。まず、本人がマイナンバーカードを所持しているかを確認し、保険証としての利用登録の有無をカードリーダーやマイナポータルアプリなどで確認します。登録がされていない、あるいは操作に困難がある場合には、資格確認書の申請を案内し、必要に応じて代理申請を行います。2024年4月からは医療機関等での「目視確認モード」も整備され、顔認証や暗証番号の入力が難しい方でも、受付職員がマイナンバーカードの写真を目視で確認することで受診が可能となりました。こうした手段があることを家族や利用者に丁寧に伝えることが大切です。  

 この制度は単なるカードの切り替えではなく、「誰ひとり取り残さない医療アクセス」を実現するチャンスでもあります。情報を正しく伝え、制度の隙間に陥りがちな方々を支援することは、現場の大きな役割でもあります。ただし、それが業務の負担にならないよう、支援方法は今後も共有されながら円滑に行っていくことが重要です。

 

原田 和将

一般社団法人 アジア地域社会研究所 所属
介護現場での管理者としての経験を活かした職員研修、コーチングを中心に活動。コーチングはITベンチャーなど多岐にわたる業態で展開。国立大学での「AIを活用した介護職員の行動分析」の実験管理も行っており、様々な情報を元にした多角的な支援を行う。