療養担当規則第20条6の(リハビリテーション)にかかる内容について、ご説明いたします。
第20条(診療の具体的方針)
6 リハビリテーション リハビリテーションは、必要があると認められる場合に行う。 |
この10年程度、地域によって疾患別リハビリテーション料の算定において、「過剰」という判断で査定を受けるケースがあります。医師が療養上必要であると判断し、指示が出されリハビリテーションを実施されてあると思います。その内容やリハビリテーションの効果を再審査請求とし、手続きを行うことをお勧めします。また、予めレセプト提出時においても症状詳記として提出することも良いでしょう。それでも査定されるかもしれませんが、根気強く再審査請求を出し続けましょう。
リハビリテーションについて、指摘を受けやすい内容をピックアップし、注意点等も含め示します。
1)医師の関わりについて
リハビリテーションは、医師の指示のもとに実施するというルールについては、皆様はもちろんご存知のはずです。しかし、「医師が定期的な機能検査等をもとにリハビリテーション実施計画書を作成及び患者にその内容を説明の上交付し、診療録に添付すること」という内容が、リハビリテーションの一般的事項4に記載されていることをあまり知られていないようです。多くの医療機関では、理学療法士等が当該計画書を作成し、説明を行っているのではないでしょうか。この要件では、認められないことになってしまいます。そこで今回、令和3年9月30日に発出された「現行制度の下で実施可能な範囲におけるタスク・シフト/シェアの推進について」において、理学療法士等の項目で医師の代わりに可能な範囲が下記のように記されました。
リハビリテーションに関する各種書類の記載・説明・書類交付 リハビリテーションに関する各種書類については、作成責任は医師が負うこととされているものについても、医師が最終的に確認又は署名(電子署名を含む。)することを条件に、理学療法士が書類を記載することや、当該書類について患者等への説明や交付を行うことは可能である。 |
このことより、理学療法士等は、医師に代わってリハビリテーション実施計画書の記載や説明を医師が確認することで行うことが出来ることになっています。次期診療報酬改定において、どのように変更されるか注意が必要です。
2)リハビリテーション総合計画評価料について
リハビリテーション総合計画評価料において、下記の内容が指摘を受けています。毎月300点の算定が可能なため、要件を満たさず返還になった場合、額が大きくなるので注意が必要です。
① リハビリテーション総合実施計画が定められた様式に準じていない。 ② リハビリテーション総合実施計画書の記載内容が画一的である、又は空欄がある。 ③ リハビリテーション総合実施計画書の記載内容が不十分である。リハビリテーション総合実施計画書において目標についての記載が不十分である。 ④ リハビリテーション総合実施計画書に基づいて行ったリハビリテーションの効果、実施方法等について共同して評価を行っていない。 ⑤ リハビリテーションが開始されてから評価ができる期間に達しているとは考え難い場合で算定している。 |
能見 将志(のうみ まさし)
診療情報管理士。中小規模の病院に18年間勤務(最終経歴は医事課長)。 診療報酬改定、病棟再編等を担当。診療情報管理室の立ち上げからデータ提出加算の指導まで行う。