医療介護業界の中で「エンゲージメント」という言葉の重要性が増してきています。前回は、職員のエンゲージメントを高めるための「コーチング的コミュニケーション」の方法の一つである「水平質問」について触れました。部下のポテンシャルを発揮させることができるようなコミュニケーションを取っていくために、この水平質問は非常に有効です。相手の発言を一度受け入れ、その上で「他には？」と質問を重ねることで、相手の閃きを促したり本心を探ったりすることができます。

この水平質問というテクニックとセットで使われるもう一つの質問方法が「垂直質問」です。垂直質問とは、水平質問で広げた内容を具体的に掘り下げていくテクニックです。「いつ？」「どこで？」「どうやって？」などのような、内容を具体化させていく質問を使っていきます。アイデアを求められた部下の方は、最初は漠然と質問に答えていたとしても、この垂直質問に答えようとする過程で自分の頭の中を掘り下げていく「内的探索」が行われ、新しいアイデアが湧いてくるようになります。