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HOSPITALITY 〜長先生の接遇レッスン〜 VOL.31 職場での会話力〜挨拶プラスαの効果〜

プラスαの一言を心がけ職場での良好な関係性を築きましょう!

 新年度を迎え、新たに就職された方、異動により新たな部署でチャレンジをはじめられた方、責任ある仕事を任された方もいらっしゃるのではないかと思います。立場が変わることで、これまで見えていた景色が変わって見えて、戸惑っておられる方もあるのでは? 今回は職場でのちょっとした「会話力」について考えてみましょう。

 クリニックの場合では、医師と看護師、事務職員が多いのですが、病院では、薬剤師やセラピスト、検査技師等の医療専門職、等の専門職が多いですよね。国家資格を持っているひとだし・・・と苦手意識を持っている方もあるかもしれません。

 しかし、「苦手だなあ」と感じているのは、あなただけではありません。

 この苦手意識は様々な方からお聞きします。実は様々な医療職の方が、多職種との会話に苦手意識を持っていることがわかっています。お互いに困っているところでもあるわけです。

 私のところにも、「どう話をしたらいいかわからない」「きっかけがつかめない」「忙しそうで声がかけられない」というようなお声が届いています。

 さて、苦手だから・・・といって話しかけないわけにはいきませんよね。仕事ですから、かかわりを持たないということはできません。面談を行う上での技術としては、緊張している相手には、「Yes,No」クエスチョン・・・つまり、一言でこたえられる質問を投げかけてほぐしていき、少しずつ「Yes,No」だけで終わらない質問をしていく、という方法は有名です。しかし、職場で、しかも忙しそうにしている場合など、なかなか難しいですよね。

 そんなときは・・・「褒めポイント」や「共通の話題」「興味があること」を探してみましょう。相手をおだてるわけではありませんよ。少し笑顔になれる話題で前置きして、本題に入るということです。
 例えば、「眼鏡を新調した」「髪型が変わった」など、いつもと違うところを話題にする、もしくは、「桜が咲いた」や「子供の入学式・進級した」という共通の事項でも、いいと思います。ニコッとしてもらえればしめたものです。

 また、私は日ごろから、すれ違うときに声をかけることを意識していました。「おはようございます」「お疲れ様です」という挨拶の時に、プラスαの一言をかけることを心がけていました。毎回というわけではありませんが、気候に始まり、趣味のこと、子供さんのことなどほんの一言ですが、今後の仕事を進めるうえで助かったこともあります。病棟や他部署に行ったときに、「あなた誰?」という冷たい視線を受けなくて済むようになります。

 実際に何か教えてほしいこと、お願いしたいことがあった場合でも、いきなり用件を切り出す・・・なんてことは避けましょう。皆さんも、いきなり「あのさ~」と用件を切り出され、「え?それ今必要ですか?」といいたくなったことありませんか?

 電話対応と同様に、相手がどのような状況なのか、どれだけ忙しいのか等、わからないことも多々あります。また、貴重な相手の時間を奪っていることも意識すると、「いま、お話ししてもよろしいでしょうか」「○○の件で5分ほどお時間いただけませんか」と声をかけることができます。

 このように、お伺いをたてられた場合、無下にされることは少ないと思います。

 皆さんもそうではありませんか? 今すぐには無理だけど、10分後ならこの急ぎの仕事も終わるし、ごめんね~と思ったこともあるでしょう。少し待ってほしいなと思うことがあった場合、「今よろしいでしょうか」と聞かれれば、どの程度の話か、急ぎなのかどうかを確認して、時間をずらしてもらうように
頼むこともできるはずです。

 さて、職場での会話力について考えてきました。部署内・他部署を問わず、アイスブレイク的に、ちょっとした共通話題をもとに、日常的なコミュニケーションが取れる関係性を作っていくことが大事なのではないでしょうか? これは日常的に応用できる、会話力の第一歩です。ぜひ意識してみてください。

長 幸美(ちょう ゆきみ)

(株)M&Cパートナーコンサルティング パートナー
(株)佐々木総研 医業経営コンサルティング部 シニアコンサルタント
20数年の医療機関勤務の経験を活かし、「経営のよろず相談屋」として、医療・介護の専門職として、内部分析・コンサルティングに従事。