You are currently viewing HOSPITALITY 〜長先生の接遇レッスン〜 VOL.27 一年の計は元旦にあり〜人に会う機会が多いからこそ〜

HOSPITALITY 〜長先生の接遇レッスン〜 VOL.27 一年の計は元旦にあり〜人に会う機会が多いからこそ〜

人に会う機会が増える年始。一年の始まりだからこそ、「マナー」に気をつけましょう!

 皆さま、明けましておめでとうございます。
 今年はどのようなお正月をお過ごしだったでしょうか?
 医療機関に勤めていると、日々の業務に追われ、改めて考えるゆとりがなくなり、つい日常の業務の中に流されていってしまう…という経験をお持ちの方が多いのではないかと思います。かくいう私も、日常業務に流されていた一人なのですが…この時期は発熱の患者さんも増えて、何かと気ぜわしくなりますよね。

 年末年始は医療機関でも「ヒト」に会う機会が多くなってきます。連携先の医療機関の先生にお会いしてご挨拶したり…診療も忙しくなるので、来院してもらっても長いこと待たせたり、会えなかったり、急にキャンセルになったり…そのような機会が増えるからこそ、気になるのが「マナー」です。

 まず「マナー」は人と人とのかかわりの中で、最低限身に付けておくべきお作法のことを言います。これは誰かが見ているから、ということではなく自分ひとりであっても守ることが望ましい価値観であるとも言われています。
 挨拶の時のマナーは「目を見て相手に届けましょう」ということを私も伝えているのですが、これは直接お会いするときだけのことではありません。挨拶はコミュニケーションの第一歩といわれるほど、大事なものです。

 まずは服装です。医療機関から行くわけなので、「看板を背負っている」といっても過言ではないと思います。制服で行かれる場合もあるでしょうし、白衣からスーツに着替えて行かれる場合もあると思います。制服だから仕方がないと、よれよれの上着やジャンバーで訪問することが無いように気を付けましょうね。

 この時に忘れがちなのが、「靴」です。足元は案外見られているものですよ。ピカピカに磨かれている靴を見ると気持ちが良いものです。また、この時期、足元が冷えるので、暖かいブーツをはきたい気持ちもありますが、そこはちょっと辛抱が必要です。またついうっかりと仕事用のシューズで出かけることもあるかもしれませんが、そこはいつもと違う「ご挨拶」にふさわしい靴を選びたいものです。

 今日はご挨拶に行くから気合を入れて…と、いつも以上に念を入れてお化粧をする…ということもあるかもしれません。それもNGです。私も病院時代に、いつもと違う濃いお化粧に香水をまとった看護部長がお越しになって、とてもびっくりしたことがあります。皆さんは医療機関の職員です。医療機関の顔になるわけです。ナチュラルメイク、そして髪の毛も衛生的なまとめ方や整え方、清潔感を演出しましょう。

 まずは、相手先様へ訪問したい旨と日程の調整が必要になります。同じ日にあっちもこっちも…と予定を詰め込み過ぎ、お約束の時間に遅れてしまう、ということが無いように、ゆとりを持ったスケジュールを立てましょう。また、年末は道路事情も渋滞しがちですし、焦って事故なんてことにならないように、無理のない計画を立てるようにしましょう。

 そして何より、お話の内容です。せっかくお伺いして担当の方と会うわけですから、お互いの情報交換ができるように準備をすることも大事ですね。

 お越しいただく場合は「お待ちしていました」ということを表現するようにしましょう。
 寒い時期ですので、事前に電気をつけ暖房を入れておくことや、通されたお部屋がきれいに片付けられていて、待っていただく場合も季節の絵や小物等により、お待ちいただく時間も楽しんでいただけるといいですね。受付に事前に連絡を入れ「お待ちしておりました」という一言が出てくると、うれしいものですよ。

 訪問後、できれば2.3日うちに、はがきやメールでお礼の気持ちをお伝えするようにすると、良い印象に残ると思います。

 1年の始まりだからこそ、少し改まって感謝の意とともに始められるといいですね。
 今年も皆さまと一緒に接遇やマナーを考えていきましょう!よろしくお願いいたします。

長 幸美(ちょう ゆきみ)

(株)M&Cパートナーコンサルティング パートナー
(株)佐々木総研 医業経営コンサルティング部 シニアコンサルタント
20数年の医療機関勤務の経験を活かし、「経営のよろず相談屋」として、医療・介護の専門職として、内部分析・コンサルティングに従事。