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HOSPITALITY 〜長先生の接遇レッスン〜 VOL.23 挨拶ができない…

さわやかな笑顔で「私から」まず声をかけて、安心できるよい職場を作っていきましょう!

 挨拶はあまりにも日常的で、おろそかになっていませんか?
 最近では、マスクをしているせいか、「挨拶をしても、返さない」「受付が返事もなく愛想がない、感じが悪い」という相談を受けることが増えてきています。
 皆さんの周りにもいらっしゃいませんか?
 では、皆さん自身はどうでしょうか?
 挨拶はコミュニケーションの第一歩ともいわれています。今日は挨拶について考えてみましょう。

 どんな状況であっても挨拶をすることは基本中の基本です。
 例えば、受付対応中や電話中で返事ができない場合、申し送りや作業中で手が離せない場合もありますね。こういった場合でも、声をかけた人は何らかのアクションを期待しています。そういった場合、近くの職員に手で合図を送ったり、視線を合わせて会釈を返したり、何らかの形で「気付いていますよ、少しお待ちください」ということを伝えることは可能ですね。

 例えば、相手が立っていたら、こちらも立ち上がって対応を行うのが基本です。
 医療機関の受付などで、座ったまま応対をされている方がありますが、患者さまが立っているのに、座ったままではいけません。逆に座っておられる場合は、こちらもしゃがんで目線の高さを合わせるようにします。

 挨拶は「自分から先に」というのが基本です。また、挨拶は様々な場面でも必要になります。
 職員間でも、すれ違う時など「お疲れ様」と声をかけている様はすがすがしい気分になりますし、何か仕事を依頼したり、仕事が終わった時に「お願いします」「ありがとうございます」と声を掛け合う様子を見ると、この医療機関は職員同士のコミュニケーションもよくて、信頼できるかも!と思いますよね。
 では、どんな声掛けが考えられるでしょうか?
 例えば…

朝(10時ごろまで)…おはようございます
昼間(10時~日没頃)…こんにちは
夜(暗くなったら)…こんばんは
お茶・食事前…いただきます
お茶・食事後…ごちそうさまでした
何かをしてもらったら…ありがとうございます
謝るとき…申し訳ありません
何かしてもらうとき…よろしくお願いします
声をかけるとき、部屋に入るとき…失礼します
お待たせしたとき…お待たせいたしました
同僚をねぎらうとき…お疲れ様でした
外出するとき…行ってきます
外出から戻ったとき…ただいま戻りました
同僚が返ってきたとき…おかえりなさい
退社するとき…お先に失礼します
患者さま、家族を見送るとき…お大事に、お気をつけてお帰りください

 こちらの例文をポスターにしました。掲示して、何度も確認するようにしましょう。

 それぞれの人によりプライベート空間(パーソナルスペース)がありますが、職場にも、それぞれに固有の空間があります。例えば、診察室や事務室、病室、ナースステーション、など、明らかに部屋として成り立っているものもありますが、処置ベッドなど、区切られた空間もあります。その中に入っていく場合は、いきなり開けるのではなく、入り口で声をかけて(ノックをして)はいることも必要です。
 そして皆さんの表情は、笑顔になっているでしょうか? 「真剣な表情」といえば聞こえはいいかもしれませんが、眉間にしわを寄せて、ちょっと怖い顔つきになっていませんか?
 時々鏡を見て確認しましょう!

 この挨拶については、「私から」声をかけていくことが大事です。つまり周りにはアンテナを立て、いつも気を配っていく必要があります。さわやかな笑顔でまず声をかけて、安心できる、よい職場を作っていきましょう!

長 幸美(ちょう ゆきみ)

(株)M&Cパートナーコンサルティング パートナー
(株)佐々木総研 医業経営コンサルティング部 シニアコンサルタント
20数年の医療機関勤務の経験を活かし、「経営のよろず相談屋」として、医療・介護の専門職として、内部分析・コンサルティングに従事。