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HOSPITALITY 〜長先生の接遇レッスン〜 VOL.21 「ありがとう」の効能効果

心の中だけでは伝わらない。感謝の言葉を伝えるコツ…を考えてみましょう!

 皆さん、組織の中で、様々な役割を担い仕事をされていると思います。
 一人で何もかも完結できることはなく、多かれ少なかれ、同じ職場の方や他部署の方、病院外の方々の力を借りて日々の業務を遂行されていると思います。

 そんな中で、皆さん、感謝の意を伝えることはできていますか?
「仕事だから、感謝なんてしなくても、やるのが当たり前じゃん!」
「こころの中では感謝しているよ!」
「いちいちありがとうなんて、面倒だな」
「今更、照れくさいし、感謝していることくらいわかっているでしょう!」

 あらあら・・・こんなことでチームはうまくいくのでしょうか?
 どんなに視力が良くても、相手の心の中までは透視できませんよね。今日は感謝の言葉を伝えるコツ…を考えてみましょう!

 なんだかバタバタしていてお礼の言葉を伝えそびれてしまった・・・そんな経験ありませんか? 後で言おう・・・と思っていながら、言えなくて、後ろ姿にそっと頭を下げる・・・こんなことをしていても、相手には伝わりません。
 最大のポイントは、「その時にお礼を言う」ことです。

 時々行く病院の処置室で、忙しそうにされていた看護師さんに、病棟から降りてこられていた看護助手さんが採血されているのを見て、「あ、これ検査室ですよね。持っていきましょうか?」と声をかけておられました。採血中の看護師さんは集中されていたのか、「あ・・・すみません」と小さな声で返事をされていたのですが、通りかかった看護師さんがすかさず「ごめんね~ありがとう! 助かります!」と声
をかけておられました。看護助手さんも「いいえ~通り道ですから!」と言ってニコニコされていました。
 見ていてもすがすがしい気分になります。また、こんな風に声をかけている様子を見ると、「この病院はコミュニケーションが取れているんだろうな~」と良い想像が働いてきます。

 誰にでも苦手な人、気が合わない人はいるものです。プライベートならば「顔を合わせない」「付き合わない」ということもできるでしょう。しかしながら、仕事の場合そういうわけにもいきませんね。好き嫌いの感情で動けるのは、子供のうちだけ、社会生活の中では、通用しません。どんなに嫌な印象を持っている人でも、仕事をしていく上では、何らかのかかわりを持つことがあり、・・・特に同僚であれば、助けてもらうこともたくさんあるはずです。
 そんな時こそ、いつも以上に「ありがとうございます。助かりました」とはっきりと声に出して言いましょう!
 関わりたくないなあ~という気持ちでいると、声が小さくなったり、トーンが低くなったり、そうなってしまっては、「なんだ、義務感で言っているんだな」、と相手に伝わってしまいます。ワントーン上げていくぐらいの気持ちが良いと思います。

 ある日の出来事です、自転車が飛び出してきて、車にぶつかりそうになりました。私の2.3台前の車が急ブレーキを踏み、私のすぐ前の車も急ブレーキ、当然私も・・・自転車はびっくりしてかバランスを崩して倒れてしまいました。最初に急ブレーキを踏んだ車の運転手がものすごい剣幕で車から降りてきて怒り始め、自転車の人もこけたことに腹を立てたのか、反抗的な態度をとっていました。一瞬険悪なムードだったのですが・・・すぐ前の車の運転手さんが下りてきて「大丈夫かい?けがは?あ~よかった。車も無事なんだね。君も大したけがじゃなくてよかった、ありがとう。急に飛び出してきたから、大事故になるかと思ったよ。急ブレーキのおかげだね、ありがとう、ありがとう」一瞬ぽかんとされていた当事者の方々も、「気を付けます、すみません」とお互い頭を下げていかれました。

 仕事に慣れてくると「ありがとう」ということがおざなりになりがちですが、ぜひ意識してみてください。

長 幸美(ちょう ゆきみ)

(株)M&Cパートナーコンサルティング パートナー
(株)佐々木総研 医業経営コンサルティング部 シニアコンサルタント
20数年の医療機関勤務の経験を活かし、「経営のよろず相談屋」として、医療・介護の専門職として、内部分析・コンサルティングに従事。