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HOSPITALITY 〜長先生の接遇レッスン〜 VOL.74「アンコンシャスバイアスに気づいたら、どう動く?~事務長が支える“行動変容”の仕組みづくり~②」

前回は、「気づき」と「行動」を日常に定着させるための工夫をご紹介しました。今回はその続きとして、「振り返り」と「行動変容のサイクル」づくりについて考えていきます。

🍂「振り返り」を仕組みにする

行動したら、振り返ることも忘れてはいけません。
月に1回、スタッフミーティングの中で
「最近気づいたアンコンシャスバイアス」や
「対応を変えてみた結果どうだったか」
を話し合う時間を設けることで、スタッフ同士の学びが深まります。

ある事務長さんは、ミーティングの進行役として
「否定しない」
「笑わない」
「受け止める(話をさえぎらない)」
を意識しながらミーティングを進めていったそうです。
その結果、若手スタッフからも「実はこういう対応をしてしまったかも…」という声が出るようになり、職場の風通しが良くなったと感じたとのことでした。

🍂事務長が支える“行動変容”のサイクル

「気づき → 行動 → 振り返り」
このサイクルを回すためには、事務長の関わりがとても重要です。

・気づきを促す場をつくる
・行動しやすいルールやツールを整える
・振り返りの時間を設け、安心して話せる雰囲気をつくる
(否定・批判しない)

そして、院長との連携も欠かせません。
「接遇改善は、患者さんの満足度だけでなく、職員の働きやすさにもつながる」という視点を共有することで、組織全体の文化として根づいていくのではないでしょうか。

🍁まとめ:小さな行動が信頼をつくる

アンコンシャスバイアスは、誰にでもあるものです。
それに気づき、行動し、振り返ることで、患者さんにも職員にも「ここは安心して話せる場所だ」と感じてもらえるようになります。
事務長がその流れを支えることで、クリニックの信頼性は確実に高まっていくはずです。
小さな気づきが、大きな安心につながる—そんな接遇を目指していきましょう。

長 幸美(ちょう ゆきみ)

(株)M&Cパートナーコンサルティング パートナー
(株)佐々木総研 医業経営コンサルティング部 シニアコンサルタント
20数年の医療機関勤務の経験を活かし、「経営のよろず相談屋」として、医療・介護の専門職として、内部分析・コンサルティングに従事。