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HOSPITALITY 〜長先生の接遇レッスン〜 VOL.52「コミュニケーション~聴き方編」に注意しよう

いろいろな場面で、「コミュニケーションが大事!」というと、「私は話をするのが下手だから・・・」とうつむかれる方いらっしゃいませんか? 
気の合う友達と話をするのは平気だけれど、初めての方や会社の先輩・・・特に厳しい方と話をするのはどうしても苦手で・・・という方も多いのではないかと思います。まして、大勢の人の前で話をするなんて・・・と思われる方もあるでしょう! 

もちろん「話をする順序」など気にしないといけないことはありますが、どうして、うまく話ができるときと、なかなかうまく伝えられないときがあるのでしょうか? 

■うまく話ができたときは、どんなとき? 

皆さんの中で、「初対面だったのに、なんだかいろいろな話ができた」「何故かうまく話ができて盛り上がった」という経験ありませんか? 
いつもあまりしゃべれないのに、ついつい話をしてしまった・・・ 
話をするつもりがないことまで、しゃべってしまった・・・という経験ありませんか? 

その時、何故、うまく話ができたのでしょうか? 
「うまく話ができません」「話したくないです」・・・という状況をお聞きしていくと、その背景に「聴き手」の存在が明らかになってきます。 

話ができない理由・・・を聞いてみると 

話がうまく出来たということをかんがえる前に、話ができなかった時の状況を考えてみましょう。 

その時の「聴き手」の表情はどうだったでしょうか? 
 ・眉間にしわが寄り、イライラしていることが伝わってきた 
 ・話をしていても、聴いているのかどうかわからない 
 ・腕組みされ、にらみつけられていた 
 ・フーン、へ~っと気のない返事で、話が続かなかった 
 ・で?どうしたって? どうしたいの? といわれ返答に困った・・・等々 

話を聴いてくれそうになかった・・・というようなことが明確に表情から現れているような状況があったということをお話しされることがよくあります。 

■では会話がはずんだときはどうだったでしょうか? 

一方で、話しやすかったときのことで、どんなことがうれしかったのかと話を聴いてみると、ほとんどの方が、 
 ・笑顔で話を聴いてくれた 
 ・私の目を見て話を聴いてくれた 
 ・適当なところで相槌をうち、質問してくれたこともあり安心感があった 
 ・興味を持ってくれていると感じて、話がしやすかった 
 ・自分を認めてくれたようで、気持ちが良かった  ・・・等々 

どうでしょうか? 接遇の5原則に当てはまることがたくさんありますね。 

聴き手の「聴き方」により、話易さは変わる 

話し手が話し易い聴き方とはどんな聴き方でしょうか? 

  1. アイコンタクト・正対 

あなたの話を聴いていますよ、ということを体で表現することが大事です。 
最近、福岡市でもユマニチュードを実践しましょう!という運動が活発化してきました。この基本は、相手を認識する(認める)ということにあります。 
相手の存在を認め、アプローチしていくことにあります。 
その方法は真正面から眼を見るだけではなく、横から寄り添い、背中に手を当てるなど、いくつかの方法があります。その場で適切な方法をとりましょう! 

  1. 相槌・オウム返し 

話の合間に、相手の話を聴きながら、内容に応じて確認したり返事をしたりして、しっかりと話を聴いていることを伝える手段として有効です。 
聴き手の心構えとしては、相手に興味を持つことがとても大事だと思います。 

  1. 相手の話を最後までしっかりと聴く(話の腰を折らない) 

話をしているときに、「そういえば」「そうそう」と言いながら、話題を変える方がいらっしゃいます。これはグループワーク(ミーティング)での注意事項でもありますが、話をしている人が「最後まで話しきる」ことを意識して話を引き出してあげる必要もあります。 
「それでどう思ったの?」「そのあとどうなったの?」など、相槌やオウム返しとともに、相手の気持ちに寄り添う言葉かけをします。少し緊張がほぐれ、話がしやすくなるでしょう。 

 

■自分のことばかり話する人は損をする 
なかには年齢を問わず、自分のことを一生懸命に話する人もいます。 
まわりの様子にはお構いなし・・・特に高齢者に多い傾向もありますが、こういったときには、マジックでお聞きしたいことを大きな文字で記載して示しながら話を進めていくことも一つの手です。 

高齢者になってくると、自分の要望がかなえられなければ、「私はおらん方がいいっちゃろう」「年寄りと思うて、馬鹿にしとる」「あ~面白うない」と逆切れする方もあります。また、言葉だけでの説明だと、聴き取りづらく理解が追い付かない場合もあります。ポイントを具体的に示して見せて説明する(お聞きする)ことが有効な場合があります。初めにこれ①とこれ②とこれ③と示しておくわけです。 

■第三者の目で見返してみる 

例えば、受付の応対している様子など、ビデオ撮影して研修資料として使用したり、看護師さんや他の方から見てどのように見えるのか、声の大きさはどうか、語尾の強さはどうかということを見て、どんな印象に見えるのかを見てもらい、フィードバックしてもらうのも、ひとつの手です。 

忙しくてそんなに丁寧な対応はできません! 
といわれる方もありますが、では、あなた自身が若しくはあなたのお母さんがこのような対応をされていたらどんなに感じますか?とお聞きすると、もう少し丁寧にしてよ、と思う・・・とお答えになる方が大半です。 

つまり、皆さん優しくされたいし、自分に置き換えると「忙しい」ということは理由にならないと思われているわけです。 

 

さて、今回は、皆さんの日常的な「聴き方」について焦点を当ててきました。まずは気付くことが第一歩です。地域ナンバーワンの相談しやすいクリニック目指して取り組んでみませんか? 

 

 

 

 

 

長 幸美(ちょう ゆきみ)

(株)M&Cパートナーコンサルティング パートナー
(株)佐々木総研 医業経営コンサルティング部 シニアコンサルタント
20数年の医療機関勤務の経験を活かし、「経営のよろず相談屋」として、医療・介護の専門職として、内部分析・コンサルティングに従事。