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2026年診療報酬改定で事務長が押さえるべき患者向け広報

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2026年4月12日 編集部コラム

2026年度(令和8年度)診療報酬改定は、2026年6月1日に施行されます。改定率は2年度平均でプラス3.09%。

医療機関にとっては収益改善の追い風ですが、患者にとっては窓口負担が変わる改定でもあります。「なぜ費用が増えるのか」という問い合わせや、「先月と会計が違う」という声が窓口に集中することは、過去の改定でも繰り返されてきました。事務長はその疑問に先回りして答える広報体制を整えることが重要です。

今回の改定の骨格――3本の柱

今回の改定は「①賃上げ・人材確保」「②物価対応」「③医療機能の分化と連携」という3本の柱で構成されています。

事務長として注意したいのは、「改定率プラス=医療機関に良いこと」という伝え方です。患者側には窓口負担の増加という現実があります。「なぜ変わるのか」を丁寧に説明する広報が、患者との信頼関係を守ります。

患者への広報ポイント①――入院時の食費・光熱費の引き上げ

今改定では、入院患者が直接負担する食費と光熱水費が引き上げられます。

食費:原則1食あたり40円の引き上げ(低所得者は所得区分に応じて1食20〜30円。指定難病患者等は据え置き)

光熱水費:原則1日あたり60円の引き上げ

長期入院の患者ほど累積負担が増えるため、入院中の患者やその家族への事前説明は欠かせません。入院時の説明資料・費用案内・入院計画書の更新を6月1日前に完了させてください。

また、「医療機関が値上げした」という誤解を生まないよう、「診療報酬改定による国の基準改定に伴うもの」であることを掲示物に明記することが重要です。療養型・回復期病棟など長期入院患者が多い施設では、患者・家族への個別説明を行うことをお勧めします。

患者への広報ポイント②――初診料・再診料の引き上げ

物価対応分として、外来診療の基本となる初診料・再診料が引き上げられます。外来患者にとって最も日常的に目にする費用の変化であり、「先月より会計が高い」という問い合わせが窓口に集中することが予想されます。

受付スタッフが端的に説明できる言葉を準備しておきましょう。難しい制度説明は不要です。「6月から診療報酬が改定され、診察料が変わりました。物価や人件費の上昇に対応するための国の制度改定です」という一言で十分です。5月中に受付スタッフ向けの勉強会や想定問答の共有を行っておくことを推奨します。