こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
今回は、第二の視点である、人口やサービス需要の変化に応じた提供体制を取り上げます。
この部分の前提は、介護を取り巻く状況が全国一律には変化しない、ということです。高齢化が進むという共通の言葉だけでは、各地域の課題を十分に説明できないのですね。
需要が増える地域と、減少する地域があります
資料では、2040年に向けて医療と介護の両方を必要とする85歳以上人口が増える一方、高齢化や人口減少の進み方には地域差があるとしています。
介護需要も、今後増える地域がある一方、すでに減少局面に入っている地域がある。そのため、それぞれの地域の状況に応じて、必要なサービスを継続できる体制をつくる必要がある、という整理です。
提供体制については、特に中山間・人口減少地域で、働き手の減少による人材確保の難しさを挙げています。利用者がいるかどうかに加えて、サービスを提供する側の人員を確保できるかが課題になっています。
「特定地域サービス」等を機能させるための検討です
資料は、令和8年6月成立の法改正によって「特定地域サービス」等が創設されたと説明し、その仕組みを確実に機能させる必要性に触れています。
その上で、第二の視点では、地域の状況を踏まえて、サービスの提供方法、人員配置基準、報酬を検討するとしています。
ここでの記述は、新しい仕組みの名称を紹介するだけではありません。実際に地域でサービスを続けられるよう、運営の仕組みと報酬を合わせて考える、という位置づけになっています。
ただし、第268回資料には、具体的な対象地域や利用条件、配置基準の変更内容は示されていません。どの事業所でも配置を緩和できる、あるいは報酬を上乗せできるという意味にはなりません。
中山間地域の加算や、地域資源との協働にも言及しています
もう一つ、資料が挙げているのが、中山間地域の加算の在り方を見直すことです。
加えて、地域にある資源との協働や、業務の移管・分担を進め、利用できる資源を幅広く用いて対応する必要があるとしています。
この部分では、報酬だけで提供体制を維持するとも、人員配置だけを変えればよいとも書かれていません。地域の資源をどのように組み合わせるかも、検討の対象に含まれています。
また、人口構造を扱う前半では、人材確保や生産性向上について、国・都道府県の役割にも触れています。事業所単独の対応と、地域や行政を含めた対応の両方を視野に入れた記述です。
ここから読み取れる方向性
ここからは、私の読み取りです。
この視点からは、全国共通の基準を前提にしながらも、地域の条件に応じた柔軟な仕組みを検討する方向が見えます。必要なサービスを維持するために、報酬、配置、協働を組み合わせて考えようとしているのだと思います。
今後の個別案では、どの地域の、どのような困難に対する対応なのかを確認することが重要になりそうです。同じサービスでも、地域によって必要な支援や運営条件が異なる可能性があります。
事業者の皆さんは、地域の介護保険事業計画と、自法人への利用相談、人員確保の状況を確認してみてください。地域向けの具体案を読む際の材料になります。
次回から3回に分けて、第三の視点である地域包括ケアの深化を読んでいきます。

文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
原稿作成日:2026年10月19日
本稿は第268回分科会の公開資料に基づく資料編です。議事録の内容は反映していません。最新の公式資料・通知等は、ご自身でも確認してください。
出典:厚生労働省・第268回資料1、2・4頁
