こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
今回は、受付でよくありそうな「ちょっと困ったケース」をまとめてみます。
まず、
「マイナンバーカードを家に忘れました」
という患者さん。
次に、
「カードリーダーに電子証明書の期限について表示が出ました」
という患者さん。
この2つは、似ているようで対応が違います。
■「持ってきたけれど読めない」と「持ってきていない」は違う
ここは重要です。
患者さんがマイナ保険証を持参しているけれど、機器の故障などで資格確認できない。
これは第3回でお話ししたように、代替の資格確認方法があります。
一方、
マイナンバーカードそのものを家に忘れた
という場合は事情が違います。
「マイナ保険証を持ってきたが読み取れない場合」と、「マイナ保険証を持ってきていない場合」を同じフローで扱わないようにしましょう。
もちろん、その患者さんが有効な資格確認書を持っているのであれば、それを使って資格確認できます。
■電子証明書には有効期限がある
もう一つ覚えておきたいのが「電子証明書」です。
マイナンバーカードそのものの有効期限とは別に、カードに搭載されている電子証明書にも有効期限があります。
患者さんから、
「カードの期限はまだあるのに、更新してくださいと表示された」
と言われることがあります。
これは電子証明書の期限が近づいている可能性があります。
■期限が切れた翌日から突然使えなくなるわけではない
ここは受付でぜひ知っておいてください。
電子証明書の有効期限が切れても、一定期間はマイナ保険証として資格確認できます。
厚生労働省では、有効期限満了日が属する月の末日から3か月間は、保険資格情報の確認が可能としています。
ですから、
「電子証明書の期限が切れていますね。今日は使えません」
とすぐ判断する必要はありません。
この期間中は通常どおり資格確認を行いながら、患者さんには、
「電子証明書の更新手続きをお願いします」
と案内します。
ただし、使える機能には違いがある
電子証明書の期限切れ後の一定期間は、保険資格の確認には使えますが、診療情報や薬剤情報などの提供には制約があります。
つまり、
保険証としての資格確認はできても、マイナ保険証の機能をすべて通常どおり使えるわけではない
ということです。
ここまで受付で詳しく説明する必要があるかは医療機関ごとに考えてよいと思いますが、少なくともスタッフ側では理解しておきましょう。
■3か月を超えたらどうなる?
電子証明書の期限切れ後の経過期間を過ぎると、そのままではマイナ保険証によるオンライン資格確認ができなくなります。
更新していない方には、一定の仕組みのもとで資格確認書が交付されます。
ですから患者さんには、
「もう保険診療が受けられません」
ではなく、
「電子証明書の更新をお願いします。資格確認書が届いている場合は、そちらでも受診できます」
という案内が適切です。
■スマホのマイナ保険証も始まっています
2025年9月19日からは、機器の準備が整った医療機関・薬局で、スマートフォンに搭載したマイナ保険証も利用できるようになっています。
ここで気をつけたいのは、
マイナ保険証に対応している医療機関=必ずスマホ版にも対応している
というわけではないことです。
スマートフォンのマイナ保険証を読み取るための環境が整っている施設で利用できます。
患者さんから、
「スマホでできますか?」
と聞かれたとき、受付スタッフが答えられるよう、自院が対応済みかどうか確認しておきましょう。
■公費の受給者証などは別に確認
もう一つ、「マイナ保険証になったから全部これ一枚」と思ってしまわないことです。
子ども医療費助成などの公費負担医療については、地域や医療機関の対応状況によって、従来の受給者証等の提示が必要な場合があります。
受付では、
医療保険の資格確認
と
公費負担医療の確認
を分けて考えてください。
マイナ保険証を読み取れたからといって、必要な医療証等の確認を忘れないようにしましょう。
制度が複雑なときほど、
「この患者さんは、今、何の資格を確認しているのか」
を一つずつ整理することが大切です。
次回はいよいよ最終回です。
ここまでの内容を、実際の受付マニュアルとしてどう整理すればよいか、一緒にまとめていきましょう。
(制度内容は2026年9月時点)

