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訪問診療はどこから始めるか――外来患者の「通院が難しくなった」を、そのまま支える(第2回/全8回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

「在宅医療を始める」と聞くと、まず訪問診療の患者さんをたくさん集めなければいけない、と思っていないでしょうか。

私は、常勤医師1名の内科系クリニックであれば、むしろ逆だと思っています。

最初から患者さんを何十人も受け入れる必要はありません。

まず見ていただきたいのは、いま外来に通っている患者さんです。

たとえば、80代の患者さん。

以前は一人で通院できていたけれど、最近は娘さんが仕事を休んで車で連れてきている。

待合室で30分待つだけでも疲れてしまう。

あるいは、退院したばかりで、自宅で療養したいけれど、今後クリニックまで通うのは難しい。

こういう方はいらっしゃらないでしょうか。

これまでは「通えなくなったら訪問診療の先生を紹介します」としていたところを、

「これからは私がご自宅へ伺いましょうか」

とできるようにする。

外来中心のクリニックが在宅医療を始めるなら、私はこれが一番自然だと思います。

在宅医療は、まったく別の診療部門をゼロから作るというより、これまで診てきた患者さんを、通院できなくなってからも診続ける仕組みとして考えた方が分かりやすいんですね。

もちろん、在支診の届出がなければ訪問診療そのものができない、ということではありません。

ですから最初は、無理のない範囲から始めます。

たとえば「火曜日と木曜日の午後だけ」「クリニックから車で15分程度」「最初は既存患者を中心に」と決めても構いません。

ここで重要なのは、訪問診療を外来の「追加業務」にしないことです。

外来を今までと同じだけ診て、昼休みに訪問診療をして、診療終了後にも訪問する。

これでは院長先生が持ちません。

訪問診療を始めるなら、診療時間の中にきちんと訪問診療枠を作ることです。

そして患者さんが数名になったところで、地域の訪問看護ステーションやケアマネジャー、薬局などとも少しずつ関係を作っていきます。

特に訪問看護は大切です。

医師が毎日患者さんを診ることはできません。

「昨日から少し呼吸が苦しそうです」

「食事量が急に落ちています」

「浮腫が強くなりました」

こうした情報を訪問看護師さんからもらえるだけで、在宅診療はずいぶんやりやすくなります。

そして、もう一つ。

最初の段階から、緊急時にどうするかは決めてください。

夜に発熱したらどうするのか。

転倒したらどうするのか。

呼吸状態が悪くなったらどうするのか。

最初は在支診ではありませんから、いきなり365日24時間すべてを院長先生が抱える必要はありません。

ただ、将来在支診を目指すのであれば、

「この患者さんを24時間支えるには何が足りないのだろう」

という視点で診療しておくことが大切です。

そして、もう一つぜひやっていただきたいのが記録です。

訪問診療を開始した日、臨時に往診した日と時間、入院につないだケース、看取りを行ったケース。

強化型では、後になって「直近1年間に何件ありましたか」と実績を確認します。実際、令和8年度の様式11の3では、緊急往診と看取りについて直近1年間の件数を記載する仕組みになっています。

ですから、強化型を取ろうと思った1年後にカルテを掘り返すのではなく、最初の患者さんから記録しておく

ここは事務長さんや医療事務の方に、ぜひお願いしたいところです。

患者さんが5人、10人と増え、

「これなら、もう少し本格的に在宅医療をやっていけそうだ」

となったら、次の段階に進みます。

次回は、

「まず支援診3を取るには何が必要なのか」

です。

24時間対応という言葉だけを見て諦めずに、一つずつ中身を分解してみましょう。

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