こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
今回から、内科系クリニックの「診療報酬の算定漏れ」についてお話ししていきたいと思います。
最初にお伝えしておきたいのですが、このシリーズは「何か加算を取るために、無理に診療を変えましょう」という話ではありません。
私がまず確認していただきたいのは、すでに行っている診療や、すでに整えている院内体制が、きちんと診療報酬につながっているかということです。
特に最初に見るべきなのが、初診・再診に関係する基本的な項目です。
令和8年度の点数表を見ると、再診料は76点です。その上に、診療内容によって外来管理加算52点があり、診療時間帯によっては夜間・早朝等加算50点、さらに届出を行って一定の体制を整えている診療所では、時間外対応体制加算1~4が、それぞれ7点、5点、4点、2点設定されています。初診時には、要件を満たす医療機関で機能強化加算80点もあります。
一つひとつを見ると、小さな点数に見えるかもしれません。
でも、ここが大事なんです。
たとえば月に1,000人、年間1万人以上の患者さんを診るクリニックであれば、数点の違いでも年間では大きな数字になります。
ですから、「高い点数を一つ見つける」より、毎日の診療で繰り返し発生している項目を漏らさないことのほうが、経営的には重要な場合があります。
では、どこからチェックするか。
私はまず、直近3か月程度のレセプトから「算定件数」を出してみることをおすすめします。
再診患者数は何人だったか。外来管理加算は何件だったか。時間外対応体制加算は何件だったか。機能強化加算は初診患者のうち何%について算定されているか。
ここで、「この加算はうちでは算定していません」と分かったら、次の質問です。
「算定できない」のか、それとも「確認したことがない」のか。
この二つは、まったく違います。
令和8年度改定では、機能強化加算にもBCPの策定など新たな施設基準が加わっています。一方で、必要な体制がすでに整っているのに、届出や院内運用の確認ができていないケースもあり得ます。
もう一つ注意したいのが、「レセコンが自動で算定してくれるだろう」と思わないことです。
患者の状態、診療時間、届出状況、診療内容などを人が判断しないと付かない点数はたくさんあります。
ですから最初に作りたいのは、
「自動算定されるもの」と「スタッフが判断して入力するもの」の区別です。
ここが曖昧だと、院長は「当然算定されていると思っていた」、受付は「先生が入力すると思っていた」、医療事務は「診察室から情報が来ていないので算定していない」ということが起こります。
算定漏れは、知識不足だけで起こるのではありません。
院内の情報伝達の途中で、診療行為が会計情報に変換されずに消えてしまう。
ここをぜひ意識してください。
まず第1回では、直近3か月のレセプトを出して、「初診・再診に付随して算定している項目」を一覧にしてみる。
これが、内科系クリニックの算定漏れ点検の第一歩です。

