あなたが現在見ているのは 厚生局の指導等及び医療監視への対応策「令和8年度診療報酬改定に伴って、200床未満の中小病院のポイント」

厚生局の指導等及び医療監視への対応策「令和8年度診療報酬改定に伴って、200床未満の中小病院のポイント」

今月は、令和8年度診療報酬改定に伴って、200床未満の中小病院のポイントをまとめました。

2026年度診療報酬改定は、地域の医療需要や機能分化・連携を重視する方向性がより明確になった改定といえます。少子高齢化と人口減少が進む中、200床未満の中小病院は急性期大病院との競争ではなく、地域包括ケアシステムの中で独自の役割を明確化しなければなりません。改定内容を中小病院の経営視点で整理すると、「高齢者救急」、「在宅支援」、「多職種連携」、「医療DX」、「生産性向上」、「専門性機能」に集約されており、これらへの対応が今後の病院経営を左右します。

1.高齢者救急の受け皿
今回の改定では、在宅や介護施設からの緊急入院を積極的に受け入れる病院が評価される仕組みが強化されました。「紹介患者を待つ病院」よりも、「地域の救急ニーズに応える病院」がより評価される方向性が示されています。

特に中小病院は、軽症から中等症の高齢者救急などを中心とした地域急性期機能を担うことが重要です。今後は、急性期医療機関、在宅医療機関、訪問看護ステーション、介護施設との連携を強化することで、地域からの紹介患者や救急患者の受入れ増加につながり、病床利用率の向上も期待できます。

2.地域包括医療病棟・地域包括ケア病棟
近年は、一般急性期病床から地域包括医療病棟や地域包括ケア病棟への転換を検討する中小病院も増えています。地域ニーズに即した病床機能への転換が進められています。その中で、地域包括医療病棟は、高齢者救急や在宅患者等の緊急入院に対応し、早期からのリハビリテーションや多職種による包括的医療を提供する機能を担います。一方、地域包括ケア病棟は、ポストアキュート、サブアキュート、在宅復帰支援の3つの役割を担っています。

また、2026年改定では、リハビリテーション、栄養、口腔管理を一体的に実施する病院への評価が強化されました。病棟転換を検討する際は、地域の医療需要を分析し、地域に不足している機能と自院が提供可能な機能を見極めることが重要です。

3.在宅医療・介護連携を経営戦略の中心に
2040年に向けて、在宅療養患者の後方支援機能の重要性はますます高まっています。中小病院は、在宅療養支援病院、介護施設協力医療機関、訪問診療、訪問看護、退院支援を一体的に展開する必要があります。今後は病床利用率だけではなく、在宅復帰率や救急受入実績など、地域で果たす役割を示す指標の重要性が高まっています。このような実績指標や経営指標を自院で継続的に把握し、院内で共有していくことが今後の病院運営の鍵になると考えます。

来月は、200床未満の中小病院のポイント後半として、多職種連携や業務改善、専門性機能について、解説いたします。

能見 将志(のうみ まさし)

診療情報管理士。中小規模の病院に18年間勤務(最終経歴は医事課長)。 診療報酬改定、病棟再編等を担当。診療情報管理室の立ち上げからデータ提出加算の指導まで行う。