あなたが現在見ているのは 「24時間対応」はどこまで必要か――無理なく続ける時間外対応の考え方(第3回/全5回)

「24時間対応」はどこまで必要か――無理なく続ける時間外対応の考え方(第3回/全5回)

→目次に戻る

こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、時間外対応体制加算で多くの院長先生が不安に感じる「24時間対応」についてお話しします。

この加算の話をすると、先生方からよく聞かれるのが、「これを算定すると、夜中でも必ず電話に出ないといけないのですか」という質問です。

結論から言うと、大事なのは“患者さんが困ったときに、どうすればよいか分かる体制”を整えることです。

もちろん、加算1のように常時対応を求められる区分では、診療時間外の問い合わせに対して、原則として対応できる体制が必要です。一方で、やむを得ず電話に出られなかった場合に、速やかにコールバックできる体制を整えることも、届出書類上の確認項目に含まれています。届出添付書類にも、「留守録による応答後、速やかにコールバック」「医師等の携帯・自宅電話へ転送」といった体制を記載する欄があります。

ここで重要なのは、時間外対応を「院長の根性」で支えるのではなく、「院内ルール」で支えることです。

たとえば、電話が鳴ったときに、すべてをその場で診断しようとする必要はありません。患者さんの状態を聞き取り、明らかに緊急性が高い場合は救急受診を案内する。翌日受診でよい内容であれば、翌診療日の受診を案内する。薬の飲み間違い、発熱、血圧、腹痛、転倒など、よくある相談については、対応の目安をあらかじめ決めておく。

これだけでも、現場の負担は大きく変わります。

また、事務職員や看護職員が最初に電話を受ける場合には、「判断してよいこと」と「医師に確認すること」を明確にしておく必要があります。スタッフが医学的判断を背負い込みすぎると危険ですし、逆にすべて院長に回すと体制が続きません。

私がクリニックにおすすめしているのは、時間外対応の運用を3段階に分けることです。

まず、緊急度が高いもの。これは救急受診や119番を案内するレベルです。

次に、医師確認が必要なもの。持病がある患者さんの症状変化、処方薬との関係がありそうな相談などです。

最後に、翌診療日の案内でよいもの。予約変更、一般的な受診相談、緊急性の低い問い合わせなどです。

このように分けておくと、対応者が迷いにくくなります。

時間外対応体制加算は、患者さんにとっては安心につながります。一方で、クリニック側から見ると、負担が増える可能性もあります。だからこそ、院長先生お一人で抱え込まない設計が大切です。

電話番号をどうするか。転送設定をどうするか。留守番電話のメッセージをどうするか。折り返しは何分以内を目安にするか。記録はどこに残すか。

こうした細かい運用が、実は加算の安定算定にも直結します。

次回は、患者さんへの周知についてお話しします。時間外対応は、体制を整えるだけでなく、患者さんに正しく伝わってはじめて機能します。

→目次に戻る