こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
前回は、令和8年度改定で「時間外対応加算」が「時間外対応体制加算」へ名称変更され、評価が引き上げられることをお話ししました。
今回は、加算1、加算2、加算3、加算4の違いを整理します。
まず大前提として、この加算は診療所の再診時に算定する加算です。施設基準に適合し、地方厚生局等へ届出を行った診療所が、再診を行った場合に、届出区分に応じて算定するものです。
では、4つの区分は何が違うのでしょうか。
ざっくり申し上げると、加算1が最も手厚い体制、加算4が連携を活用した体制です。
加算1は、診療時間外の問い合わせに対して、原則として自院で常時対応できる体制です。日ごろから継続的に受診している患者さんから電話等で問い合わせがあった場合に、医師、看護職員、事務職員等が対応できる体制を整えるイメージです。
加算2も常時対応の考え方に近い区分ですが、対応者の体制が加算1とは異なります。自院の人員体制や勤務形態によって、どちらに該当するかを丁寧に確認する必要があります。
加算3は、標榜時間外の夜間の一定時間帯に対応できる体制です。たとえば、「診療終了後の数時間は問い合わせに対応できるようにしておく」「深夜や休診日は留守番電話等で地域の救急医療機関を案内する」といった運用を組み合わせて考える区分です。
加算4は、他の診療所との連携を活用する区分です。自院だけですべて対応するのではなく、複数の医療機関で輪番のように対応する体制を考える場合に関係します。届出添付書類でも、連携医療機関の名称、連携体制、診療情報の共有方法、対応体制などを記載する欄が設けられています。
ここで、院長先生に考えていただきたいのは、「一番点数が高い区分を目指すべきか」ではありません。
もちろん、体制が整っているのであれば、上位区分を検討する価値はあります。しかし、無理をして形だけ整えても、患者さんへの案内が曖昧だったり、スタッフが対応に困ったりすると、かえってトラブルの原因になります。
まずは、自院の現状を棚卸ししてください。
診療時間外の電話は、今どこにつながっているでしょうか。院長の携帯でしょうか。留守番電話でしょうか。スタッフが確認する仕組みでしょうか。休日や夜間に患者さんから相談があった場合、誰が、どの範囲まで判断し、どのような場合に救急受診を案内するのでしょうか。
このあたりが整理できていないまま加算だけ算定すると、現場は混乱します。
私がおすすめしたいのは、最初に「現状の対応表」を1枚作ることです。平日夜、土曜午後、日曜祝日、深夜帯に分けて、連絡先、対応者、折り返しのルール、救急案内の基準を整理します。
そのうえで、どの区分の施設基準に近いのか、足りない部分はどこかを確認する。
時間外対応体制加算は、単なる算定項目ではなく、クリニックの時間外対応を見える化するよい機会です。次回は、多くの先生が気にされる「24時間対応とはどこまで求められるのか」についてお話しします。

