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帝王切開の麻酔管理料と700点加算――脊椎麻酔・硬膜外麻酔で確認すべきこと(第5回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

第5回は、帝王切開術に関係する麻酔管理料についてお話しします。

産科医療機関にとって、最も身近な麻酔は、帝王切開時の脊椎麻酔や硬膜外麻酔ではないでしょうか。予定帝王切開でも、緊急帝王切開でも、区域麻酔を中心に対応している医療機関は多いと思います。

令和8年度改定では、鎮静・深鎮静・全身麻酔の整理に目が行きがちですが、帝王切開の麻酔管理料についても、改めて確認しておく必要があります。

麻酔管理料(Ⅰ)では、硬膜外麻酔又は脊椎麻酔を行った場合の評価があり、さらに帝王切開術の麻酔を行った場合には、帝王切開術時麻酔加算が設定されています。

ここで大切なのは、「帝王切開をしたら自動的に加算できる」というものではないという点です。

麻酔管理料(Ⅰ)は、施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、当該保険医療機関の麻酔に従事する医師が行った場合に算定するものです。つまり、届出、医師の体制、麻酔前後の診察、記録などを確認する必要があります。

産科の現場では、帝王切開の件数が多い医療機関ほど、算定が日常化しているため、要件確認が形式的になりやすいです。しかし、令和8年度改定を機に、もう一度、自院の帝王切開麻酔の運用を見直していただきたいと思います。

確認すべき点は、大きく4つあります。

1つ目は、麻酔管理料の届出状況です。麻酔管理料(Ⅰ)なのか、麻酔管理料(Ⅱ)なのか、そもそも届出があるのかを確認します。

2つ目は、麻酔を担当する医師の体制です。麻酔科標榜医が関与しているのか、産科医が麻酔も担当しているのか、非常勤医師の勤務実態はどうなっているのかを整理します。

3つ目は、麻酔前後の診察と記録です。予定帝王切開では比較的整えやすいですが、緊急帝王切開では記録が不足しやすくなります。術前診察、術後診察、患者説明、合併症の有無などを、どこに記載するのかを明確にしておく必要があります。

4つ目は、医事課への情報連携です。医事課は、手術名だけでは麻酔管理料や加算の判断ができません。脊椎麻酔なのか、硬膜外麻酔なのか、全身麻酔なのか。麻酔担当者は誰か。麻酔管理料の要件を満たしているのか。これらの情報が、手術記録や麻酔記録から確認できる必要があります。

帝王切開は、産科医療機関にとって日常的な手術です。しかし、日常的であるがゆえに、「いつもの算定」「いつもの記録」になりやすい部分でもあります。

今回の改定対応では、鎮静や深鎮静だけでなく、帝王切開の麻酔管理料も含めて、麻酔全体を見直すことが大切です。

特に、予定帝王切開と緊急帝王切開では、運用が異なります。予定帝王切開では、術前評価、麻酔説明、麻酔計画、麻酔記録、術後診察を一連の流れとして標準化できます。一方、緊急帝王切開では、最低限残すべき記録項目を決め、後から補記する場合のルールも整えておく必要があります。

医事課だけでなく、産科医師、麻酔担当医、手術室看護師、助産師が共通認識を持つことが重要です。 帝王切開の麻酔は、安全管理と診療報酬の両方に関わる重要な領域です。令和8年度改定をきっかけに、自院の帝王切開麻酔の算定・記録・体制を、もう一度点検してみてください。

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