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紙保存から電子保存へ――電子カルテ・スキャン運用で確認すべきこと(第5回/全6回)

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こんにちは。
M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、入院診療計画書の電子保存についてお話しします。

今回の改定では、署名が不要になることにより、これまで紙で保存していた文書の運用を見直しやすくなります。

200床未満の病院では、電子カルテを導入していても、入院診療計画書や各種説明文書については、紙で印刷し、患者さんに渡し、控えをスキャンして保存しているところが多いと思います。

これまでは、患者さんやご家族の署名がある紙を「原本」として扱う意識が強かったと思います。

しかし、署名が不要になると、紙原本にこだわる必要性は相対的に下がります。

その一方で、電子保存のルールが曖昧なままだと、後から確認しづらくなります。

疑義解釈では、電磁的方法により診療情報を記録・保存している場合、診療録に患者等に交付したものと同じ内容の文書が電子媒体で保存され、その文書を用いて説明を行った日と説明者が記載されていればよい旨が示されています。

ここで重要なのは、患者さんに交付したものと同じ内容の文書が保存されていることです。

たとえば、電子カルテ上で入院診療計画書を作成した。
患者さんに印刷して渡した。
電子カルテにも同じ文書が保存されている。
その文書に説明日と説明者が記載されている。

この流れであれば、後から確認しやすいです。

一方で、次のような運用は注意が必要です。

患者さんに渡した文書と、電子カルテに残っている文書の内容が違う。
修正前の文書が保存されている。
説明日がどこにも残っていない。
説明者が分からない。
スキャン画像の保存場所が病棟ごとに違う。
文書名が統一されておらず、検索しにくい。

このような状態では、電子保存しているつもりでも、実際には確認しづらい運用になっています。

電子保存で大事なのは、あとから第三者が見ても分かることです。

個別指導。
院内監査。
医療安全上の確認。
患者さんやご家族からの問い合わせ。
退院後の再入院時の確認。

こうした場面で、入院診療計画書がすぐ確認できる状態になっていることが大切です。

中小病院では、情報システム担当者が少ないこともあります。
そのため、電子カルテの機能を大きく変えることが難しい場合もあると思います。

その場合でも、運用ルールは整えられます。

たとえば、文書名を統一する。
保存場所を統一する。
説明日と説明者の入力欄を決める。
紙で交付した場合は、同じ版をスキャン保存する。
修正があった場合は、修正版を保存し、再説明の有無を記録する。

これだけでも、かなり整理されます。

また、電子保存に移行するときには、医師・看護師・医事課の認識合わせが必要です。

医師は説明したつもり。
看護師は文書を渡したつもり。
医事課は保存されたと思っている。
しかし、実際には電子カルテ上で確認できない。

これでは困ります。

おすすめは、入院業務の流れに沿って確認することです。

入院決定時。
入院前説明時。
入院当日。
退院前。
退院後の書類確認時。

それぞれの時点で、入院診療計画書がどの状態にあるのかを明確にします。

作成済みなのか。
説明済みなのか。
交付済みなのか。
保存済みなのか。
再説明が必要なのか。

ここが分かるようになると、病棟と医事課の連携もよくなります。

今回の改定は、紙を減らすチャンスです。
ただし、紙を減らした結果、記録が見えなくなってはいけません。

紙から電子へ移るときに大切なのは、保存形式ではなく、説明した文書と記録がつながっていることです。

次回は最終回として、院長先生・事務長さんが確認すべきチェックリストを整理します。

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