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算定に向けた院長・事務長チェックリスト――人員配置、様式9、収支、届出、現場運用をどう確認するか(第5回/全5回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

5回にわたって、令和8年度診療報酬改定における急性期病院一般入院料と看護・多職種協働加算についてお話ししてきました。

最終回の今回は、院長先生、事務長さんが実際に確認すべきポイントを、チェックリストの形で整理します。

まず1つ目は、自院がどの入院料を算定しているかです。

看護・多職種協働加算の対象になるのは、急性期一般入院料4を算定する病棟、または急性期病院B一般入院料を算定する病棟です。

急性期一般入院料1、2、3、5、6は対象ではありません。

ですから、まず自院の一般病棟の届出区分を確認してください。

2つ目は、急性期病院Bを目指すのか、急性期一般入院料4で加算を目指すのかです。

急性期病院Bを目指す場合は、救急搬送件数、夜間救急の割合、全身麻酔手術件数、DPC対象病院であること、データ提出加算、地域包括医療病棟の届出状況などを確認する必要があります。

救急搬送件数や手術件数が届かない場合は、急性期病院Bではなく、急性期一般入院料4と看護・多職種協働加算の組み合わせを検討することになります。

3つ目は、25対1の看護・多職種配置です。

急性期一般入院料4や急性期病院Bの10対1看護配置に加えて、看護職員を含む多職種を25対1以上で配置する必要があります。厚労省資料では、曜日や時間帯による傾斜配置も可能とされています。

ここで確認すべきなのは、単なる人数ではありません。

勤務実績としてきちんと説明できるか。

様式9に反映できるか。

看護職員だけで見るのか、多職種を含めて見るのか。

夜勤帯や休日も含めて、常時配置の考え方に無理がないか。

ここは医事課と看護部が必ず一緒に確認してください。

4つ目は、他の加算との人員重複です。

特に注意したいのが、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算との関係です。

疑義解釈では、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の専従の理学療法士等や専任の管理栄養士が病棟で従事する時間を、看護・多職種協働加算の勤務実績の時間に算入し、様式9に記載することはできないとされています。

これは非常に大事です。

同じ職員の同じ時間を、複数の施設基準に都合よく使うことはできません。

「うちはリハ職が病棟に入っているから大丈夫」と思っていても、その時間が別の加算の専従・専任時間に使われている場合は、看護・多職種協働加算には使えないことがあります。

5つ目は、重症度、医療・看護必要度、平均在院日数、在宅復帰率、常勤医師数です。

看護・多職種協働加算では、単に25対1を満たすだけでなく、重症度、医療・看護必要度の該当患者割合に係る指数、平均在院日数、在宅復帰率、常勤医師数が急性期一般入院料1と同等の基準を満たすことが求められています。

つまり、加算を取るためには、病棟運営そのものが一定水準に達していなければなりません。

在院日数が長くなりがちな病院。

在宅復帰率が不安定な病院。

必要度の該当患者割合がギリギリの病院。

医師数が要件に届くか不安な病院。

こうした病院では、加算だけを先に考えるのではなく、病棟の患者構成と退院支援の流れを見直す必要があります。

6つ目は、届出単位です。

疑義解釈では、看護・多職種協働加算は病棟ごとではなく、保険医療機関内の急性期病院B一般入院料または急性期一般入院料4を算定する一般病棟全体で届け出ることとされています。

ここも注意が必要です。

「この病棟だけ取る」という感覚ではなく、対象となる一般病棟全体で人員配置と運用を整える必要があります。

200床未満病院で複数の急性期一般病棟がある場合は、病棟ごとの状況だけでなく、病院全体で見て要件を満たせるかを確認してください。

7つ目は、多職種協働の目標、業務内容、情報共有方法の文書化です。

これは単なる形式ではありません。

誰が、どの患者に、どのタイミングで、何を確認し、どこに記録し、誰に共有するのか。

この流れを文書化する必要があります。

たとえば、入院時評価、ADL評価、栄養評価、検査結果の共有、退院支援カンファレンス、病棟ラウンド、電子カルテ記録などです。

ここが曖昧なままだと、現場では「結局、誰が何をするのか」が分からなくなります。

8つ目は、収支シミュレーションです。

看護・多職種協働加算1は277点、加算2は255点です。

点数だけを見ると魅力がありますが、人員配置を増やす場合は、人件費とのバランスを見なければいけません。

既存人員の配置転換で対応できるのか。

新規採用が必要なのか。

夜勤帯や休日の配置に追加コストが出るのか。

加算収入と人件費、さらに病棟運営改善による在院日数短縮や退院促進効果まで含めて考える必要があります。

9つ目は、現場への説明です。

この加算は、看護部だけに説明しても動きません。

リハビリ部門、栄養部門、検査部門、医師、医事課、地域連携室が関係します。

特に200床未満病院では、部門間の距離が近い反面、役割分担が曖昧になりがちです。

「加算を取るために仕事が増える」と受け止められると、現場は動きません。

そうではなく、「患者さんのADL低下を防ぐ」「早く安全に退院できるようにする」「看護師だけで抱え込まない病棟を作る」という目的を共有することが大切です。

最後に、院長先生と事務長さんにお伝えしたいことがあります。

令和8年度改定の急性期病院一般入院料と看護・多職種協働加算は、単なる施設基準の話ではありません。

地域の中で、自院がどの急性期機能を担うのか。

高齢急性期患者をどう受け入れ、どう回復させ、どう地域に戻すのか。

看護師だけに負担を寄せず、多職種で病棟をどう支えるのか。

この経営判断が問われています。

200床未満病院にとって、人員配置は簡単ではありません。

救急件数や手術件数も、すぐに増やせるものではありません。

しかし、今ある病棟の動き方を見直すことはできます。

入院早期からADLを見る。

食事と栄養を見る。

検査の流れを整える。

退院支援を早める。

多職種が同じ目標を持つ。

こうした積み重ねが、結果として診療報酬上の評価にもつながります。

今回の改定を、単なる届出対応で終わらせるのではなく、病棟運営を見直す機会にしていただきたいと思います。

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